科学は日々進歩している中で、分析計はまだまだ有線の卓上型のものが主流です。
そして取得したデータも手書きだと、何かと手間がかかります。
そこで今回は使い勝手の良い、無線のpH計をご紹介いたします。
操作部にスマホタイプの専用レシーバーを採用しているので、スマホを使い慣れている私たちにとって操作しやすいpH計となっています。
pH計メーカーの株式会社monotone technologyの方に詳しくお話を伺いました。
株式会社monotone technologyのpH計の特長
―――はじめに、pH計が無線だと何が便利なのでしょうか。
●動線・配線を考慮する必要がない
まず、動線・配線を考慮する必要がないことですね。今まで当たり前についていたケーブル線がないということで、慣れ親しんでいる方は戸惑うかもしれません。しかしながら、これが結構大きなポイントなのです。ケーブル線が引っ掛からないので、動線を気にする必要がありません。
●場所を取らない
また場所を取らないので、作業スペースを広々と使うことが出来ます。
弊社のpH計、pHAI（ファイ）の開発を始めてから5年間、無線のものをずっと使っていますが、先日業務の関係上、久しぶりにポータブル型の有線タイプのものを使用しました。すると、場所は取るは、線が邪魔で仕方がないはで、不便さを感じるようになってしまったぐらいです。もう、戻れません（笑）。
●洗浄などお手入れがしやすい
例えば機器をしっかり洗いたいといった場合、センサだけをシンクまで持っていって洗浄するといったことも楽に行えます。これは無線ならではですね。
●ケーブルが届かない狭いところや屋外でも容易に計測できる
センサデバイスと専用レシーバ―が離れていても計測が可能です。（※諸条件あり）よって、ケーブルが届かない狭いところや屋外でも容易に計測できます。
―――なるほど、それは便利ですね。他にもここがいい、というポイントはありますか？
●計測の記録が自動で取れる
スマホタイプの専用レシーバーにより、自動で計測の記録が取れます。データはCSVで出力可能、それをもとにグラフ等で簡単にpH管理を行えます。
自動で記録できることで、手書きで記録する必要がなくなり、記載ミスをなくすことができるんです。また報告書作成の時間短縮にもなります。
「pHAI Next（ファイ ネクスト）」シリーズを実際に使ってみました
―――御社のpH計のラインナップと、実際の使い心地を教えて下さい。
私共monotone technology社の『pHAI Next（ファイ ネクスト）』シリーズは、上記でお伝えした機能を備えた、従来よりも快適なpH計測を実現可能にした無線のpH計です。
電極部は3タイプあります。
・ガラスボディ（1機種）
pHAI Next Labo 1200
・プラスチックボディ（2機種）
pHAI Next Ent 1200『Basic』
pHAI Next Ent 1200『Dual』
まずガラスボディの『pHAI Next Labo 1200』は、
・強酸・強アルカリに傾く対象物を計測する場合
・粘度のあるものを計測する場合
・電極の衛生面の高さを求められる場合
・従来のpH計に慣れ親しんだ方
にオススメの機種です。
プラスチックボディの『pHAI Next Ent 1200』は、先端の形状が2タイプあり、
・溶液中心に計測を想定、洗いやすいタイプの『Basic』
・表面を疑似的に揃えて、溶液に加え、肌などの水分を含んだ表面も少し押し付けることにより計測可能な『Dual』
両タイプともプラスチックボディのため、ガラスボディのタイプより、落としたりしても壊れにくいタイプです。 今回その中で、pHAI Next シリーズのプラスチックボディの『Dual』を使用してみました。
まず、スマホ型専用レシーバーのアプリを立ち上げます。
デバイスの電源を入れます。
自動接続ボタンをタップします。
（※ 出荷時にペアリングされているので、自動接続されます）
測定画面へ移動します。
今回はビーカーに入れた水道水を測ってみます。
ビーカーにコツンと当たっても、プラスチックボディなので心配ありません。
アプリでタップして測定を開始、安定するまで…何と10秒（！）でした。
水道水はpHの値が安定しにくく測定しづらい対象物で、通常は測定して安定するまでに1～3分かかることを考えると、とても速いことがおわかりいただけると思います。
測定環境にもよりますが、対象物によっては最短5秒で結果が出たというデータもございます。
そして測定データも、CSVデータで出力可能。こちらをもとに、Excel等で手軽にグラフが作成できます。
スマホ型専用レシーバーには、
・1台接続のLite
・4台まで同時接続可能・マルチ測定可能なPro
の2タイプがあります。
―――用途や測定環境に沿った選び方が出来るのは嬉しいですね。
そうですね。測定される方がどういった使い方をされたいかで、お好きなものをお選びいただければと思います。
製品の詳細はこちら：pH計「pHAI Nextシリーズ」
