FTIRの導入を考えているけど、どのメーカーのものを買っていいかわからないと思っている方はいませんか?
本記事では、FTIRの概要、メーカー一覧、メーカーごとの特徴を比較検討できるようにまとめました。 多忙な研究者のために、これさえ見ればそれぞれの特徴がイメージできるような内容となっております。
ぜひ最後まで見ていただき、導入する際の参考にしていただけると幸いです。
FTIR(フーリエ変換赤外線分光法)とは?
FTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy:フーリエ変換赤外線分光法)とは、測定対象物固有の赤外線の吸収スペクトルを読み、分子構造を特定することで、測定対象物を定性・定量する赤外分光法の一種です。
FTIRについて詳しく知りたい方ははこちら
測定対象物
有機物から無機物までさまざま形状や状態の試料を定性定量することができる研究機器です。
種類
赤外分光光度計には、「分散型」と「FTIR」の2種類があります。
2つの違いに関しては、こちらの記事をご参考ください。
歴史
1970年代から市場に出回り始めた、FTIR。
初期のFTIRはピークが読み取りにくい時がしばしばあり、大きさもかなり大きく、畳3畳分程度の大きさだった。
1980年代の半ばからFTIRは急速に普及してきた。
この頃になると、価格は下がり、機能は上がり、精度が非常に良くなってきた。パソコンの発展によりサイズもかなりコンパクトになり、測定も容易になっていった。
1990年代から現代までにかけて、さらに発展し、広範囲な波長を一台でカバーできたり、試料ごとの専門器が生まれたり、ポータブルFTIRも市販されるようになってきた。
(参考:ケイエルブイ株式会社「FTIRとは」、MST一般社団法人材料科学技術振興財団「[FT-IR]フーリエ変換赤外分光法」株式会社島津製作所「vol.1 FT‐IRの過去・現在・未来」)
メーカー一覧と各メーカーの特徴
FTIRを販売しているメーカーをご紹介していきます。
FTIR以外の分析計測機器も取り扱っているメーカーもありますので、分析計測機器全般の参考にしてみてください。
各メーカーから出ている製品一覧はこちらから↓
https://bunseki-keisoku.com/?post_type=article&p=978&preview=true
メーカー詳細
FTIRを製造、販売しているメーカーのご紹介をしていきます。
株式会社島津製作所
島津製作所は数少ない日本のメーカーであり、研究機器の業界の中でも歴史のある企業の1つです。 「分析機器」「計測機器」「医用機器」「産業機器」「航空機器」などさまざまな機器の開発を行なっています。 海外にも拠点があるグローバルなメーカーです。
島津製作所からは4種類のFTIRが出ています。
FTIRの情報はこちらから↓
https://www.an.shimadzu.co.jp/ftir/ftir.htm
<会社概要>
創業年数:1875年
従業員数:13,182人
住所:〒604-8511 京都市中京区西ノ京桑原町1番地
HP:https://www.shimadzu.co.jp/
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社
海外メーカーで世界中に拠点があるメーカです。
米国マサチューセッツ州ウォルサムに本社があり、 日本ではサーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループとして、「分析機器」「計測機器」「バイオ関連機器」「臨床診断用製品」「ラボ用製品」「研究・臨床検査試薬」「クリニカルサプライチェーンサービス」「医薬品開発・製造受託サービス」「クラウド型研究支援ツール」をはじめとするデジタルソリューションなどを事業として展開しています。
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社は3種類のFTIRが出ています。
FTIRの情報はこちらから↓
https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/industrial/spectroscopy-elemental-isotope-analysis/molecular-spectroscopy/fourier-transform-infrared-ftir-spectroscopy.html
<会社概要>
創業年数:1989年
従業員数:約1,200名 (グループ全体)
住所:〒108-0023 東京都 港区 芝浦4丁目2番8号
HP:https://www.thermofisher.com/jp/ja/home.html
JASCO日本分光
日本のメーカーで、分光分析機器を中心に開発・製造・販売を行っています。
主力製品として分光光度計、高速液体クロマトグラフがあげられます。
科学の進歩になくてはならない分析機器業界の中で、独自の分析技術やサポート体制を整え、超一流の科学者の最先端の研究をバックアップしています。
光に特化しており、さまざまな光を利用した、分析機器が販売されています。
JASCO日本分光は、4種類のFTIRが出ています。
FTIRの情報はこちらから↓
https://www.jasco.co.jp/jpn/product/index.html#PHOTO
<会社概要>
創業年数:1958
従業員数:285人(2021年9月現在)
住所:〒192-8537 東京都八王子市石川町2967-5
HP:https://www.jasco.co.jp/jpn/home/index.html
株式会社パーキンエルマージャパン
米国企業PerkinElmer, Inc.(940 Winter Street Waltham, MA 02451 USA )の日本法人。
「分析機器」「バイオ関連機器・試薬」「医療機器」「体外診断用医薬品の輸入販売」「サポート」「ソフトウェア」を含むソリューションの提供を事業としています。
大元である米国のThe Perkin-Elmer Corporationの分析機器事業部門は、1937年に精密光学機器の専門メーカーとしてスタートして以来、最先端の光学技術、コンピューター技術、精密機械技術、製造技術、分析ノウハウを駆使し、常に世界をリードする独創的な製品を提供しています。
株式会社パーキンエルマージャパンからは、3種類のFTIRが出ています。
FTIRの情報はこちらから↓
https://www.perkinelmer.co.jp/ft/tabid/589/Default.aspx
<会社概要>
創業年数:1978年
従業員数:約130名
住所:〒240-0005 神奈川県横浜市保土ヶ谷区神戸町134
横浜ビジネスパーク テクニカルセンター4F
HP:https://www.perkinelmer.co.jp/
ブルカージャパン株式会社
ブルカーグループは1960年にドイツのカールスルーエで創業された分析装置のメーカーです。世界規模でさまざまな分析装置を出しています。
ドイツ・エットリンゲンを開発製造の拠点として、グローバルな販売・サービスネットワークを通じて様々なニーズに応えています。
ブルカージャパンからは4種類のFTIRが出ています。
FTIRの情報はこちらから↓
https://www.bruker.com/ja/products-and-solutions/infrared-and-raman/ft-ir-routine-spectrometer.html
<会社概要>
創業年数:1975年
従業員数:170人
住所:〒221-0022 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3-9
HP:https://www.bruker.com/ja.html
メトラー・トレド株式会社
世界に拠点がある、グローバル企業です。
業界のトップ企業である、メトラー・トレドは世界的なブランドとして確立し、高精度、品質、イノベーションと結びつけられる他、働く人環境にも力を入れています。
高精度機器を取り扱い、蟻の体内に含まれる花蜜から水の純度まで、すべてを検出し、測定し、計量していきます。きわめて微小なものから、自動車や航空機などの大型のものまで、製品を提供するすべての分野で活躍しています。
メトラー・トレド株式会社からは、1種類のFTIRが出ています。
FTIRの情報はこちらから↓
https://www.mt.com/jp/ja/home/products/L1_AutochemProducts/ReactIR.html
<会社概要>
創業年数:1993年
従業員数:160名(2021年2月現在)
住所:〒110-0008東京都台東区池之端2-9-7池之端日殖ビル6F
HP:https://www.mt.com/jp/ja/home.html
アジレント・テクノロジー株式会社
海外メーカーである、アジレント・テクノロジーは世界中のラボ向けに、装置、サービス、消耗品、アプリケーション、専門知識を提供し、利用者が探求されている知見の発見に貢献しています。専門知識および信頼性の高いコラボレーションにより、非常に信頼性の高いソリューションを提供しています。
主に、「食品」「環境・法医学」「製薬」「診断」「化学・エネルギー」「研究」の分野にて活躍しています。
アジレント・テクノロジー株式会社からは、5種類のFTIRが出ています。
FTIRの情報はこちらから↓
https://www.chem-agilent.com/contents.php?id=315
<会社概要>
創業年数:1999年
従業員数:約16,400人(グループ全体)
住所:〒192-0033 東京都八王子市高倉町9番1号
HP:https://www.chem-agilent.com/index.php
ARCoptix
スイスにある光学測定システムのメーカーで、日本では代理店で購入が可能です。
ARCoptixは、EPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)、BFH(ベルン応用科学大学)、および地元の時計業界と強力なパートナーシップを結んでいます。これにより、ハイテク製造および特性評価施設、ならびに光学およびマイクロテクノロジーの分野における専門的な専門知識を持っています。
ARCoptixからは、1種類のFTIRが出ています。
FTIRの情報はこちらから↓
http://www.arcoptix.com/IR_infrared_spectrometer.htm
<会社概要>
HP:http://www.arcoptix.com/index.htm
他にはこんな記事が読まれてます↓ FTIR分析って何がわかるの?分析機器商社が解説 IRとFTIRの違いとは?それぞれの機器も紹介
まとめ
日本でもFTIRを販売しているメーカーがたくさんあることがわかっていただけたのではないでしょうか?
日本のメーカーや海外のメーカーそれぞれ特徴がありますので、気になるメーカーさんがありましたらさらに詳しく調べてみることをお勧めします。
・・・とはいえ
忙しくて自分で一つずつメーカーに聞いて回る時間がない!
そんなあなたに分析計測ジャーナルが忙しいあなたに変わって
商品ごとの特徴やお見積もりや納品スケジュールを代わりに問い合わせします。
商品代金以外の余計な費用もゼロ!
お気軽にご連絡ください。
時間はないけれど今後のためにもFTIRについて知識を入れておきたい
そんな方のお問い合わせはこちら↓
記事をシェアする