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(掲載数1位)HPLC検出器のおすすめメーカーと価格

2024.08.01 (Thu)

  • HPLC

記事を書いた人 :

bunseki-keisoku

HPLC検出器は種類が多く、メーカーもさまざまなので、選ぶのが難しいですよね。また価格はメーカーホームページに記載されていないこともあり、どれくらいの価格帯なのか気になると思います。そこでこの記事では、HPLC検出器のおすすめメーカーと機種、価格をご紹介します。HPLCの検出器選びや、予算申請の参考にしてみてください。

さらにHPLC検出器を安く手に入れる方法についても、ご紹介します。これまで持っていない検出器の購入を考えているなら、検討してみてほしいです。

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分析計測ジャーナルでは、HPLC検出器の購入に際して相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

HPLC検出器の選び方

HPLCの検出器には、さまざまな種類があります。そのため測定したい物質によって、適切な検出器を選ばなければなりません。HPLCの検出器には、次のようなものがあります。

  • 紫外可視(UV-VIS)検出器
  • 蛍光(RF)検出器
  • 示差屈折率(RI)検出器
  • フォトダイオードアレイ(PDA)検出器
  • 電気伝導度(CD)検出器
  • 電気化学(EC)検出器
  • 蒸発光散乱(ELS)検出器
  • コロナ荷電化粒子(CAD)検出器

有機物やタンパク質はUV-VIS検出器、無機イオンはCD検出器、汎用性が高いのはELSやCAD検出器です。それぞれの検出器の特性や検出感度などについては、こちらの記事を参考にしてみてください。

HPLCの検出器おすすめメーカー3選

HPLC検出器でおすすめメーカーは、次の3社です。

  • 島津製作所
  • Waters(ウォーターズ)
  • Thermo Fisher Scientific(サーモフィッシャーサイエンティフィック)

これらのメーカーはHPLC業界のトップ企業で、検出器も高品質なものを取り揃えています。企業や大学での導入実績も、かなり豊富です。各社の特徴を詳しく解説するので、HPLCの検出器選びの参考にしてみてください。

島津製作所

出典:島津製作所 NexeraTMシリーズ

島津製作所は、世界的に有名な日本の分析機器メーカーです。HPLC検出器は使いやすさに定評があります。HPLCトップメーカーなので、幅広いラインナップも魅力の一つ。島津なら欲しい検出器が見つかります。日本メーカーなので、優れた技術サポートとアフターサービスもありますよ。

Waters(ウォーターズ)

出典:Waters 2432 HPLCシステム用導電率検出器

Waters(ウォーターズ)は、HPLC業界のパイオニア的存在の企業です。現在もHPLC市場のリーダー企業として、大きなシェアを持っています。検出器は業界トップの種類を揃え、UV、PDA検出器はもちろん、電気化学検出器や蒸発光散乱検出器などもありますよ。海外企業ですが国内のサポートは充実しており、無料セミナーも多く開催されているので、初心者でも安心して使えます。

Thermo Fisher Scientific(サーモフィッシャーサイエンティフィック)

出典:Thermo Scientific™ Corona™ Veo™ 荷電化粒子検出器

Thermo Fisher Scientific(サーモフィッシャーサイエンティフィック)はHPLCなどの分析機器や、試薬、ソフトウエアなど広範囲な製品を世界に提供するメーカーです。最先端の研究をサポートする製品展開が特徴で、HPLC検出器ではコロナ荷電化粒子(CAD)検出器があります。高感度で直感的に操作できるThermoの機器は、世界中で人気です。

タイプ別!HPLC検出器のおすすめ機種と価格

方法

HPLCの測定タイプ別に、おすすめの機種と価格を紹介します。HPLCの検出器は、できればHPLCと同じメーカーのものを採用しましょう。なぜなら、HPLC本体との接続性がよく、解析ソフトとの互換性もあるから。しかし製品によっては、別のLCシステムに接続して使える検出器もありますよ。

紫外可視(UV-VIS)検出器

HPLCの検出器として主流のUV-VIS検出器。HPLCメーカーなら、どこでもUV検出器は取り揃えています。代表的なメーカーのUV-VIS検出器は、以下のとおりです。

メーカー商品名
(商品名をクリックするとカタログにリンクします)
参考価格特徴
島津製作所SPD-40110万円島津製作所の超高速液体クロマトグラフNexeraTM用のUV検出器。波長範囲190〜700nmで一般的に採用されているタイプ。
Waters2489 UV/Vis検出器非公開WatersのHPLC用検出器で、長年愛されているモデル。デュアル波長吸光検出器なので、異なる吸光度の多成分を最適波長で同時分析可能。
ThermoVanquish™ 可変波長検出器非公開最大4チャンネル、6つのフローセル搭載。多成分でも一度に測定できる。

蛍光(RF)検出器

UV検出器よりも感度が10倍ほど高いRF検出器。希薄な蛍光物質なら、RF検出器がおすすめです。

メーカー商品名
(商品名をクリックするとカタログにリンクします)
参考価格特徴
島津製作所RF-20A164万円優れた蛍光感度で、微量分析にも使える。コンパクトなデザインで狭い実験室にも収まりやすい。
Waters2475 HPLCシステム用蛍光(FLR)検出器非公開最大4組の波長で検出可能。独自の補助照明付きフローセルで、高感度を実現。
ThermoVanquish™ 蛍光検出器非公開迷光を抑制するシステムにより低濃度でも精度よく測定。長寿命ランプでランニングコストを削減。
Agilent1260 Infinity II
プログラマブル 3D 蛍光検出器
非公開蛍光スペクトルと定量を同時に測定。他社のHPLCにも接続可能。

示差屈折率(RI)検出器

RI検出器はちょっとした温度変化や、実験室の空調が測定結果に影響する繊細な検出器です。そのため各社、ベールラインが安定するよう、力を入れて開発しています。

メーカー商品名
(商品名をクリックするとカタログにリンクします)
参考価格特徴
島津製作所RID-20A154万円二重調温機能とランプの性能向上で、ベースラインが安定しやすい。
Waters2414 示差屈折率(RI)検出器非公開オートゼロ、オートパージ、LED 表示診断プログラムで、自動化されている。高度な温度制御。
ThermoVanquish™示差屈折率検出器非公開LCシステムとの一体型で、省スペース。操作も簡単。
Agilent1290 Infinity II 示差屈折率検出器非公開UPLC用のRI検出器。シャープなピークを正確に検出できる。

フォトダイオードアレイ(PDA)検出器

PDA検出器は、UV-VIS検出器に組み合わせて使用することが多い機器です。検出器が解析ソフトと同じメーカーの検出器なら、3D解析が簡単で使いやすいので、メーカーを合わせて選びましょう。

メーカー商品名
(商品名をクリックするとカタログにリンクします)
参考価格特徴
島津製作所SPD-M40198万円190〜800nmの広い測定範囲と1.2nmの高い分解能が特徴。オプションでさまざな分析用に特化させられる。
Waters2998 フォトダイオードアレイ(PDA)検出器非公開HPLC用PDA検出器。低ノイズでEmpowerなどのWaters解析ソフトを使って3D結果も見られる。
ThermoVanquish™ ダイオードアレイ検出器および多波長検出器非公開ダイオードアレイ検出器(DAD)と多波長検出器(MWD)が一体になった検出器。高速スキャンで早いデータ収集速度。
日立Primaide 1430ダイオードアレイ検出器173万円ルーチン分析向けHPLC、PrimaideシリーズのPDA検出器。190〜900nmまで測定できる。

電気伝導度(CD)検出器

電気伝導度検出器は、製造しているメーカーが少ないです。HPLC大手ならCD検出器がありますよ。

メーカー商品名
(商品名をクリックするとカタログにリンクします)
参考価格特徴
島津製作所CDD-10Avp87.1万円微小な導電率変化を検出可能で、低濃度成分の定量。ノイズを低減する設計が施されており、S/N比が高い。
Waters2432 HPLCシステム用導電率検出器非公開独自のセル設計でピーク定量の信頼性アップ。絶対データとオートゼロシステムにより、ベースラインが安定。

電気化学(EC)検出器

電気化学検出器も製造メーカーが少ない検出器の一つ。WatersもしくはGLサイエンス(日立)から販売されています。

メーカー商品名
(商品名をクリックするとカタログにリンクします)
参考価格特徴
Waters3465 電気化学検出器非公開複数のフローセルが使用可能。シンプルで使いやすい。
GLサイエンスED743185万円〜金電極により従来品に比べてS/N比が約3倍向上。高感度なので微量分析にも最適。日立のChromasterに接続できる。

蒸発光散乱(ELS)検出器

UV検出器が使えない物質で、希薄なものでも測定できるのがELS検出器です。グラジエント測定も可能で、汎用性が高いのが特徴。

メーカー商品名
(商品名をクリックするとカタログにリンクします)
参考価格特徴
島津製作所ELSD-LT Ⅲ440万円レーザー光源により従来よりも高感度に。さらに長時間使用でも感度が安定するレーザーを使用。
Waters2424 蒸発光散乱 (ELS) 検出器非公開最適な感度を長時間維持できるシステム。ネブライザーの自動加熱冷却で分析時間の短時間化。
Agilent1260 Infinity II 蒸発光散乱検出器非公開リアルタイムでガス制御し、正確な定量ができる。分取用にも使用可能。

コロナ荷電化粒子(CAD)検出器

出典:Thermo Scientific™ Corona™ Veo™ 荷電化粒子検出器

Corona Veo(サーモフィッシャー)

サーモフィッシャーのコロナ荷電化粒子検出器(CAD)は、汎用性がとてもよく高感度な検出器です。CADメーカーは他になく、現時点でCAD検出器を使いたいなら、サーモフィッシャーのものになります。CADは物質の濃度に応じて面積が出るので、標準物質が手に入りにくいものでも定量値を想定できるのが特徴です。これまでどの検出器でも測定が難しく、頭を抱えているなら、サーモフィッシャーのCAD検出器を検討してみてください。

HPLC検出器を安く手に入れる方法

HPLC検出器は1台が数百万円もするので、購入をためらうこともありますよね。そこで、安くHPLC検出器を手に入れる方法を3つ紹介します。予算的に厳しかったり、お試しで使ってみたかったりするなら、ぜひ参考にしてみてください。

中古品の活用

HPLCの検出器は、中古が多く出回っています。中古品サイトや、オークションを使えば、新品の半額以下〜数万円程度でHPLC検出器が手に入ります。YahooオークションにHPLC検出器が出ていることもありますよ。

中古品は質が悪い場合もありますが、メーカーのメンテナンスを受ければ、コスパがいい選択です。ですが、中にはメーカーが既にメンテナンス対応を打ち切っている古い製品も販売されていて、大きなリスクが伴うのも事実です。

その点、メーカーの正規代理店の販売する中古品は、使用履歴も明確で、性能の保証もされており、購入後のアフターサービスに不安もなく、安心してお使いいただけます。

まずは、メーカーの正規代理店へ希望する製品の中古品があるか、問い合わせてみてはいかがでしょう。

リースやレンタルを検討

導入してみたいHPLC検出器があるなら、HPLCメーカーにレンタルの交渉をしてみましょう。無料で貸し出してくれることもあります。またオリックス・レンテックでは、HPLC検出器が有料でレンタルできるサービスがありますよ。

レンタルで使ってみてよければ、来年度の予算を組んで購入すると、失敗しない買い物になるでしょう。また一時的に必要なら、一定期間のレンタルで十分かもしません。状況に応じてレンタルも検討してみてください。

価格交渉

大口購入の場合、価格交渉で1つ当たりの単価が下がることもあります。またメーカーや代理店が行うイベントやセール時なら、割引価格になることもあるので、欲しい機器があれば要チェックです。急ぎで欲しいのではないなら、代理店の営業の方にセール待ちであることを伝えておくといいでしょう。お得情報がもらえたり、メーカーへ交渉してくれたりするかもしれません。

まとめ

HPLC検出器のおすすめメーカーは、次の3社。

  • 島津製作所
  • Waters(ウォーターズ)
  • Thermo Fisher Scientific(サーモフィッシャーサイエンティフィック)

この3社は世界のHPLC市場の大半を占めており、HPLC検出器は人気があります。HPLC検出器の価格は数百万円が相場ですが、機種によって価格帯はさまざまです。安くHPLC検出器を手に入れる方法もあるので、購入を検討しているなら試してみてください。

分析計測ジャーナルでは、HPLC検出器の購入に際して相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

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分析計測ジャーナルライターバッハ

ライター名:バッハ
プロフィール:大手製薬会社において約8年間新薬の開発研究携わる。新薬の品質を評価するための試験法開発と規格設定を担当。さまざまな分析機器を使用し、試験法検討を行うだけでなく、工場での品質管理部門にも在籍し、製薬の品質管理も担当。幅広い分析機器の使用経験があり、数々の分析トラブルを経験。研究者が研究に専念でき、遭遇するお悩みを解決していけるよう様々な記事を執筆中。

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