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粘度測定の基礎知識|測定装置の特徴とおすすめメーカー3選

2022.07.04 (Mon)

  • 粘度測定

記事を書いた人 :

bunseki-keisoku

3選

物質の粘度を測定したいけど、そもそも粘度とは何か理解するのが難しいですよね。粘度測定の方法と機器はたくさんあり、どの機器で測定すればよいのか選ぶのも悩ましいです。
そこでこの記事では、粘度測定の基礎知識を解説し、JISや日本薬局方の方法をご紹介します。さらに粘度測定機器のおすすめメーカーもお伝えしますので、機器選びの参考にしてみてください。
また粘度計選びに困ったら、分析計測ジャーナルにご相談いただくことも可能です。

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粘度の基礎知識|物質の粘度とは?

物質の粘度とは、粘りの度合いを表すものです。さらさらしている・どろどろしているという表現を、数値で表現したものになります。一般的に液体の性質を評価するために、用いられる項目です。
粘度測定に際して必要な、基礎知識を解説します。

粘度の単位

粘度の単位は、SI単位ではPa・s(パスカル秒)が使われます。そのほかの単位として、cP(センチポイズ)も使います。1cP=1mPa・sです。水の粘度は20℃で1cPになります。

ニュートン流体と非ニュートン流体

粘度の挙動は物質によって異なり、ニュートン流体と非ニュートン流体という2種類にわけられます。ニュートン流体とは、せん断速度を変えても粘度が変わらないものです。一方、非ニュートン流体はせん断速度を変えると粘度が変化する物質を指します。
水やシリコーンはニュートン流体ですが、マヨネーズやマーガリンは非ニュートン流体です。非ニュートン流体は測定条件(回転粘度計の回転速度)によって、結果として出てくる粘度が異なります。そのため測定する物質がニュートン流体なのか非ニュートン流体なのか、始めに把握しておくことが大切です。

せん断速度とは

せん断速度(1/s)とは2枚の板で試料を挟み、上の板を移動させる速さU(m/s)を板の厚みh(m)で割ったものです。せん断速度に粘度(μ)をかけたものが、せん断応力と呼ばれています。

粘度とせん断速度、せん断応力の関係は下記の図と式のとおりです。

せん断速度

参考:https://speakerdeck.com/xjorv/ri-ben-yao-ju-fang-nil-ban-shi-yan-fa-2-dot-53-nian-du-ce-ding-fa?slide=3

τ=F/S=μ・U/h
τ:せん断応力、F:板をずらす力、S:板の面積、μ:粘度、U:板を移動させる速さ(平行移動相対速度)、h:板の隙間の高さ

温度と粘度の関係|水の粘度を解説

温度と粘度の関係
出典:丸善出版株式会社 理科年表オフィシャルサイト
https://www.rikanenpyo.jp/kaisetsu/buka/buka_007.html

粘度は温度によって変化します。温度が低いと粘度は高く、温度が高い場合には粘度は低くなります。
水の粘度は20℃で1.00mPa・sですが、80℃では0.36mPa・sです。

出典:JIS8803
https://kikakurui.com/z8/Z8803-2011-01.html

そのため粘度測定する際は、測定環境の温度は重要で一定にして評価しなければならないのです。

JISの粘度測定方法|塗料やインクの規格試験法

測定

塗料やインクなどの工業製品の粘度を評価は、JIS Z 8803に準じて実施します。JIS Z 8803で認められている粘度測定法は、大きく分けて4つです。それぞれ詳しくご紹介します。

出典:JIS Z 8803
https://kikakurui.com/z8/Z8803-2011-01.html

細管粘度計

細管粘度計で測定できる物質は、ニュートン流体の性質を示す物質のみです。ガラスでできた器具に測定する液体を入れ、細管を通過する時間を目視しながらストップウォッチで計測し、粘度を算出します。細管粘度計は、高価な機器ではなく手軽に測定できる特徴があります。
JIS Z 8803で認められている代表的な細管粘度計は、以下の3つです。

  • キャノン-フェンスケ粘度計
  • キャノン-フェンスケ不透明液用粘度計
  • ウベローデ粘度計

落球粘度計

落球粘度計は液体の中で小さな球を落とし、落下時間を測定する粘度測定法です。落球粘度計もニュートン流体の性質を示す物質にしか使えません。比較的高い粘度の測定に向いています。粘度が低いものは球が早く落ち、粘度が高いものは球の落下時間は長くなります。
球の種類・球を落とす高さを固定しておくと、複数の物質で粘度の違いを比較しやすいです。

回転粘度計

回転粘度計は試料中に板や筒を入れて回転させ、せん断応力を計測し粘度を求める測定方法です。回転粘度計には以下の3つがあります。

  • 共軸二重円筒形回転粘度計
  • 単一円筒形回転粘度計
  • 円すい-平板形回転粘度計

ニュートン流体はもちろん、非ニュートン流体の粘度測定も可能です。回転粘度計は各分析機器メーカーから、さまざまな機器が販売されています。機器に試料をセットし測定開始ボタンを押すだけなので、測定者間の差が出にくい方法です。

振動粘度計

振動粘度計には、音叉(おんさ)で振動させるものや回転振動のねじれを使って振動させるものがあります。低粘度から高粘度まで幅広い粘度の測定が可能です。液体が動いている状態でも粘度測定ができるので、工場のラインで製品の粘度を測定するのにも使えます。装置の測定部分を液体に浸けるだけで測定ができるので、誰でも測定がしやすい粘度計です。

日本薬局方の粘度測定法|医薬品の規格試験法

医薬品の粘度測定方法として認められているのは、次の2つです。

  • 毛細管粘度計(細管粘度計)
  • 回転粘度計

回転粘度計には、JIS Z 8803と同じく3つの粘度計が認められています。

  • 共軸二重円筒形回転粘度計
  • 単一円筒形回転粘度計
  • 円すい-平板形回転粘度計

出典:日本薬局方 一般試験法 2.53粘度測定法
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000788359.pdf

粘度測定装置を取り扱うメーカー紹介

会社

粘度計は種類が多く、メーカーもさまざまなのでどの機器を選べばいいのか難しいです。そこで粘度計を取り扱うメーカーの中から、おすすめのメーカーを3つ選んで紹介します。

英弘精機株式会社

英弘精機㈱の回転粘度計(ブルックフィールド)は、世界で一番使われている回転粘度計です。とても有名なので、回転粘度計のことを商品名である「ブルックフィールド」と呼ぶこともあります。
回転粘度計選びに困ったら、最も選ばれているブルックフィールドはいかがでしょうか。

出典:英弘精機㈱製品情報
https://eko.co.jp/products/physical-property/liq_physical_property

京都電子工業株式会社

京都電子工業㈱のEMS粘度計は、電磁スピニング法(EMS法)という方法を使って粘度を測定する機器です。世界初の方法を採用しており、試料量は300μLで測定後回収も可能になっています。JISや局方では認められていない測定法ですが、試料量が少なく済み回収もできるので、試料量が貴重な製品の研究段階で活躍します。

出典:京都電子㈱製品情報
https://www.kem.kyoto/products/visco/

株式会社エー・アンド・ディ

㈱エー・アンド・ディでは回転粘度計はもちろん、振動粘度計も豊富な種類を取り揃えています。工場のインラインで使える振動粘度計や、ハンディタイプの音叉振動粘度計もあります。インクなどの製造現場で使える粘度計が豊富です。

出典:㈱エー・アンド・ディ粘度計
https://www.aandd.co.jp/products/testmeasurement/analytical/ana-viscometer/

粘度測定におすすめのサービス

回転粘度計は1台数百万円~と高価なので、購入するか悩ましいことがあります。そこで分析計測ジャーナルでは、機器のリース・レンタルや機器購入評価のためのデモ機の貸し出しなどのサービスをおこなっています。
ご希望の機器を手配できない場合や、台数に限りがある場合もございますが、ご興味がございましたら下記リンクをお読みいただき、ご連絡ください。

リース・レンタル
https://bunseki-keisoku.com/service/rental/

デモ機貸し出し
https://bunseki-keisoku.com/service/trial/

まとめ

まとめ

粘度の基礎知識を紹介し、粘度測定するための方法をお伝えしました。粘度とは液体の粘り気を数値化したものです。JISで認められている粘度測定法は4つです。

  • 細管粘度計
  • 落球粘度計
  • 回転粘度計
  • 振動粘度計

粘度計選びに困ったら、次の3つのメーカーから選ぶのもおすすめです。

  • 英弘精機㈱
  • 京都電子㈱
  • ㈱エー・アンド・ディ

分析計測ジャーナルでは粘度測定に関するご相談を承りますので、お気軽にお問い合わせください。

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分析計測ジャーナルライターバッハ

ライター名:バッハ
プロフィール:大手製薬会社において約8年間新薬の開発研究携わる。新薬の品質を評価するための試験法開発と規格設定を担当。さまざまな分析機器を使用し、試験法検討を行うだけでなく、工場での品質管理部門にも在籍し、製薬の品質管理も担当。幅広い分析機器の使用経験があり、数々の分析トラブルを経験。研究者が研究に専念でき、遭遇するお悩みを解決していけるよう様々な記事を執筆中。

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