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粒度って何?簡単操作の粒度分布測定装置も紹介

2022.07.08 (Fri)

  • 粒度分布測定装置

記事を書いた人 :

bunseki-keisoku

粒度

製薬分野や工業分野で幅広く使われる粉体。その大きさや分布を求めるのは、簡単ではありません。同じ成分であっても粉体の大きさが異なると、違う挙動を示すことがあるので、粒度のコントロールは必要です。
粒度や粒度分布を測定するには、測定機器が必要です。しかし測定原理はいくつかあり、機器もさまざまなメーカーから販売されているので、どれを選べばいいのか難しいです。
そこでこの記事では、粒度や粒度分布について原理を解説し、おすすめ機器メーカーをご紹介します。
また粒度測定に困ったら、分析計測ジャーナルにご相談いただくことも可能です。

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粒度とは?日本薬局方の粒度測定方法も解説

解説

粒度とは、粉体の粒1つの大きさのことです。粒度を測定する方法はさまざまな種類があります。まずは原理を理解しやすい、日本薬局方に記載されている粒度測定方法を2つご紹介します。

光学顕微鏡法

光学顕微鏡法は、光学顕微鏡を使って顕微鏡写真を目視して粒子の大きさを測定する方法です。画像解析システムを使って、粒子の大きさを計測することも可能です。観察された複数の粒子径を計測すると、粒度分布も測定できます。
粒子の大きさは1μm以上の大きさであれば、この方法が使えます。目視で計測する場合は手間がかかるものの、光学顕微鏡があればすぐに測定できるので、比較的安価でできる方法です。

参考:厚生労働省 日本薬局方第18改正 一般試験法3.04粒度測定法

ふるい分け法

ふるい分け法は異なる目の大きさのふるいを複数使って、粉体をふるいにかけて粒度を求める方法です。それぞれのふるいにキャッチされた粉体の質量をはかって、粒度分布を求めることもできます。ふるい分け法には、機械でふるいを揺らす「機械的振とう法」と、空気を使う「気流中飛散法」の2つがあります。
ふるい分け法は、試料の量が25g以上必要です。しかし乾式で行われるため、測定後の試料を再利用して別試験に使用することは可能です。吸湿性や吸着性のある粒子には、この方法が使えないので、粉体の性質を把握してから実施しましょう。

参考:厚生労働省 日本薬局方第18改正 一般試験法3.04粒度測定法

粒度と粒度分布の関係

粉体の粒1つの大きさを粒度と呼び、粉体全体の粒の大きさを測定し分布を表したものが粒度分布です。上で解説した、光学顕微鏡法やふるい分け法でも、複数の粒子の大きさを測定すれば粒度分布を出すことは可能です。しかし正確な分布を出すには多くの粒子を測定しなければならず、目視などの手作業が発生する方法では時間と手間がかかります。

そこでよく使われているのが、粒度分布測定装置です。粒度分布測定装置は機械に粉体をセットし、スタートボタンを押すだけで粒度分布が測定できるものが主流です。そのため初心者でも扱いやすく、測定者間の差も少なくなります。ここからは粒度分布測定装置について、詳しく解説していきます。

粒度分布測定装置の原理

粒度分布の例
出典:㈱島津製作所ホームページより

粒度分布測定装置で得られる結果は、上の図のような粒子の大きさを横軸、頻度を縦軸にとったものが一般的です。正規分布のものもあれば、同じ粉体でもロットによって2山に分かれることもあります。
粒子の形状は一般的に単一ではなく、不規則です。そのため粒子径を直接定義はできないので、「球相当径」で表されます。また測定原理によって、得られる結果は異なります。そのため使用する機器が、どの原理を使っているのか把握しておきましょう。
粒度分布が測定できる機械の原理はさまざまですが、よく使われている原理を3つご紹介します。

レーザー回折・散乱法

レーザー回折・散乱法は、一番使われているものです。粒子にレーザー光を照射し、得られる回折光や散乱光から粒度分布を算出する方法です。大きな粒子はレーザー光が照射されると、回折散乱光はレーザー光の進行方向にでます。一方小さな粒子は、回折散乱光が四方八方にでてきます。

乾式と湿式の両方で測定が可能で、測定範囲も数十nm~数mmまで適応範囲が広いのが特徴です。しかし機器のメーカーによって得られる結果に差があるので、分析委託や技術移管の際には機器間差を確認しておくことがおすすめです。また測定する試料の屈折率を入力しなければならないので、事前に把握しておく必要があります。

沈降法

沈降法は溶媒の中に試料を入れて重力や遠心力で粒子を落とし、沈む速度の差から粒度分布を求める原理です。大きな粒子は早く沈み、小さな粒子は遅く沈みます。得られる粒子径はストークス径です。測定には試料の密度などのパラメーターが必要になります。
JIS(日本工業規格)で方法が規格化されており、工業製品を中心に使われてる測定方法です。

コールター法(電気抵抗法)

コールター法(電気抵抗法)は、電解液中に分散した粒子が細孔を通り抜けるときの電気抵抗を測定し、粒度分布を求める方法です。粒子のパラメーターが必要なく、機器間差もないので高い再現性が得られます。ただし使用する細孔サイズを粒子によって変える必要があるので、ある程度粒子サイズを把握しておく必要があります。

粒度分布測定装置を取り扱うメーカー

会社

粒度分布測定装置はさまざまなメーカーが販売しており、どのメーカーを選べばいいのか悩ましいです。そこでおすすめのメーカーを3社挙げ、特徴をご紹介します。どれも試料を準備し機器にセット、パラメーターを入力すると測定ができる、操作が簡単なものばかりです。

㈱島津製作所

㈱島津製作所は、幅広い種類の分析機器を製造販売している日本メーカーです。粒度分布測定装置は、レーザー回折・散乱法を用いた機器が用途や測定レンジに応じて5種類あります。SALDシリーズと名付けられた機器は、日本企業だけでなく海外でも愛用されています。
日本企業なので、機器のトラブルに見舞われても早急に対応してくれますよ。日本語表記のソフトウェアは使いやすく、初心者でも操作しやすいです。

参考:㈱島津製作所 粒子径分布測定装置

マルバーン

マルバーンはイギリスとオランダに本社を置く企業です。マルバーン製の粒度分布測定装置は世界中で人気が高く、トップ20の薬品会社は全てマルバーンのものを導入しています。中でもマスターサイザーシリーズは、測定範囲が0.01μm~3500μmまでの広さがあり、アタッチメントを付け替えると乾式と湿式の両方で使えるので、あらゆる粒子の粒度分布測定に適しています。

参考:マルバーン 粒度分布測定装置

大塚電子㈱

大塚電子㈱は大塚グループの一員で、光の技術を用いた機器がそろっています。粒度分布測定装置は、動的光散乱法を用いています。粒度分布を測定する機器でゼータ電位や分子量分布も測定できるものがあるので、粒度分布以外の項目も測定したいならおすすめのメーカーです。

参考:大塚電子㈱ 粒子径・粒子径分布

機器の導入に悩んだら受託分析という手も

外注

粒度分布測定装置は数百万円~一千万円超の価格帯なので、研究室に導入するかどうか悩ましいです。また物質の屈折率などのパラメーターも別途測定しなければならないこともあります。

そのため初めて粒度分布を測定したいなら、まずは数種類のサンプルを受託分析に出してみるのはいかがでしょうか。受託分析なら、粒度分布測定のプロが適切なパラメーターを導きだし、粒度分布を測定してくれます。

受託委託分析メーカーの1つである㈱島津テクノリサーチでは、㈱島津製作所製の粒度分布測定装置を使って測定できるので、㈱島津製作所の機器に興味があれば依頼するのはいかがでしょうか。

参考:㈱島津テクノリサーチ

まとめ

まとめ

粒度と粒度分布測定装置について、原理を解説しました。粒度とは粉体の大きさのことで、それらの大きさの分布を示すものを、粒度分布と呼びます。

粒度測定には次の2つの方法があります。

  • 光学顕微鏡法
  • ふるい分け法

粒度分布は測定装置を使って測定しますが、よく使われている原理は以下の3つです。

  • レーザー回折・散乱法
  • 沈降法
  • コールター法(電気抵抗法)

粒度分布測定装置選びに悩んだら、日本メーカーの機器や世界のトップ企業が愛用するメーカーから選ぶのはいかがでしょうか。また機器導入前に受託分析を依頼することも可能です。
分析計測ジャーナルでは、粒度分布測定についてのメーカー選定や受託分析のご相談を受け付けております。粒度分布測定に困ったら、お気軽にお問い合わせください。

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分析計測ジャーナルライターバッハ

ライター名:バッハ
プロフィール:大手製薬会社において約8年間新薬の開発研究携わる。新薬の品質を評価するための試験法開発と規格設定を担当。さまざまな分析機器を使用し、試験法検討を行うだけでなく、工場での品質管理部門にも在籍し、製薬の品質管理も担当。幅広い分析機器の使用経験があり、数々の分析トラブルを経験。研究者が研究に専念でき、遭遇するお悩みを解決していけるよう様々な記事を執筆中。

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