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【2024年度版】自動滴定装置のおすすめメーカー6選

2024.09.17 (Tue)

  • 滴定装置
  • 自動滴定装置

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bunseki-keisoku

滴定は結果がバラつく、検体量が多くて大変、という場合は自動滴定装置の導入がおすすめです。しかし自動滴定装置はメーカーが多く、機種も多様なので、どれを選べばいいのか迷いますよね。そこでこの記事では、自動滴定装置のおすすめメーカーを6社紹介します。また各メーカーの特徴や人気機種もお伝えし、価格も調査しましたので、機種選びの参考にしてみてください。

分析計測ジャーナルでは、自動滴定装置の相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

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自動滴定装置とは?種類やメリットも!

滴定とは、濃度未知の試料に濃度既知の試薬を加えて、未知試料の濃度を求める方法です。試料と滴定試薬の化学反応に基づいて、未知濃度が算出されます。自動滴定装置は、滴定試薬を自動で滴下し、電極により反応の終点を見極め、未知濃度を算出する装置のことです。まず自動滴定の詳細について、紹介します。

装置の概要

自動滴定装置は、上記図のような構造をしています。滴定試薬を自動ビュレットに装着し、撹拌している試料に滴下。電極が終点を検知し、使用した滴定試薬量から試料の濃度が算出されます。自動ビュレットはピストン構造をしており、微量の添加も設定により可能です。電極の本数は、測定原理により異なります。また温度測定が必要な場合は、上記図のビーカー内に温度計が加わることもあります。

自動滴定の種類

自動滴定は目視で終点が判断できる滴定はもちろん、見た目は変化がなくても反応に変化があるものも、測定可能です。終点を検出する指標は、pHや電位、伝導率などがあります。自動滴定装置で測定できる方法を、詳しく紹介しましょう。

電位差滴定:試料の濃度依存性電位を測定し、滴定する方法。参照電極と指示電極の2本を用いる。

酸塩基滴定(中和滴定):酸性と塩基性の溶液を混ぜて、中和する点を終点として滴定する方法。

逆滴定:濃度既知の試料に、濃度未知の試料を滴下し、その過剰量を測定する方法。

カールフィッシャー法:微量の水分量を測定する方法。カールフィッシャー法に特化した自動滴定装置もある。

酸化還元滴定:酸化剤と還元剤の2つの試料間における、酸化還元反応を測定する方法。電位により終点を見極める。

沈殿滴定:無機化合物の定量に用いられる方法。沈殿反応によって出る電化の変化を測定。

キレート滴定:金属イオンの測定に用いられる方法。電極はイオン電極。

滴定を自動化するメリット

滴定は学生実験のときに習ったように、手動でもできます。しかし滴定を自動化すると、次のようなメリットがありますよ。

  • 終点判断が容易
  • 濃度計算が不要
  • 誰でも同じ結果が得られる

手動での滴定は、微量な添加が難しく、終点の判断やビュレットの目盛りの読み方にも差が出ます。一方自動滴定装置は、全て機械が行うので、測定者間の差がなく高精度な結果が得られるのがメリットです。また濃度計算もしてくれるので、迅速に結果が得られます。

自動滴定装置のおすすめメーカーと機種!価格も調査

自動滴定装置で有名なメーカーは6社あります。

  • 京都電子工業
  • メトラー・トレド (Mettler Toledo)
  • メトローム(Metrohm)
  • 日東精工アナリテック
  • HIRANUMA(ヒラヌマ)
  • サーモフィッシャーサイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific)

各社の人気機種について、特徴を紹介します。また価格も調査しましたので、購入の検討や予算申請にお役立てください。

京都電子工業

出典:京都電子工業 電位差自動滴定装置AT-710M

京都電子工業の自動滴定装置は、コスパのよいエントリーモデルから複数の試料を測定できるモデルまで、幅広いラインナップが特徴です。研究所や工場での品質管理の現場で導入実績が多く、高精度で信頼性が高い魅力があります。

機種名
(装置名をクリックで製品リンク)
特徴参考価格
電位差自動滴定装置
AT-710B
低価格なエントリーモデル。90万1000円〜
電位差自動滴定装置
AT-710S
十分な精度を有したスタンダードモデル。112万5000円〜
電位差自動滴定装置
AT-710M
同時に4台の装置を接続できる最上位モデル。129万9000円〜
自動滴定システム
AT-710/CHA-700
ターンテーブルに最大11試料が乗る。ルーチン測定に最適。お問い合わせください

メトラー・トレド (Mettler Toledo)

出典:メトラー・トレド 滴定装置 Excellence T9

メトラー・トレドの自動滴定装置は、11機種ものラインナップがあります。ラインナップの充実さは業界トップ。食品に特化したものや、さまざまな滴定に応用可能な機種があるので、測定したいものによって最適な機種を選びましょう。代表的なシリーズを3つ紹介します。

機種名
(装置名をクリックで製品リンク)
特徴参考価格
Easy Plus EasyシリーズPro、pH、Clの3タイプ。食品の分析に最適。お問い合わせください
Compactシリーズ一般的な自動滴定装置で、広い分野で活用可能。コンパクト設計なので狭い実験台にも置きやすい。お問い合わせください
Excellenceシリーズビュレット本数が1本のT5、4本のT7、5本のT9の3タイプを展開。電位差およびカールフィッシャーの両方で使用可能。幅広い用途で使用できるモデル。お問い合わせください

メトローム(Metrohm)

出典:メトロームEco Titrator

メトロームはスイスに本社を置く、分析機器メーカーです。ビュレットの精度が高く、海外メーカーですが直感的な操作性で人気があります。おすすめ機種は次の3つです。

機種名
(装置名をクリックで製品リンク)
特徴参考価格
Ecoタイトレーター低価格で高精度な、コスパの高いモデル。GLPおよびGMPに準拠しているので、製薬業界での人気が高い。90万9000円〜
タイトランドシリーズ広い用途で使用可能な機種。100種類以上の電極を自由に選べる。ビュレットの精度が高い。170万円〜
OMNIS タイトレーション4種類の滴定を同時にでき、最大175検体が連続測定可能。カールフィッシャー水分測定、温度滴定もできるオールマイティーな一台。300万〜1000万円、平均700万円

日東精工アナリテック

出典:日東精工アナリテック 自動滴定装置 GT-200Win

日東精工アナリテックの自動滴定装置は、さまざまな分野で取り入れられています。現在販売されている自動滴定装置は、2機種です。オプションが充実しており、追加でビュレットや多検体滴定装置を導入すると、同時測定本数を増やせます。

機種名
(装置名をクリックで製品リンク)
特徴参考価格
自動滴定装置 GT-310pH、電位差、電導度、分極、光度滴定などに対応したモデル。コンパクトな設計だが、8.4インチの大きくて見やすいカラータッチパネルを搭載。105万円
自動滴定装置 GT-200Winパソコンでコントロールできるソフトがセットになった自動滴定装置。データ管理しやすく、LIMSへのデータ取り込みも可能。厳密なデータ管理が必要な製薬の品質管理などに最適。お問い合わせください

HIRANUMA(ヒラヌマ)

出典:HIRANUMA 自動滴定装置 COM-A19

HIRANUMAは、日本初の自動滴定装置を50年以上前に開発した企業です。自動滴定装置のリーディングカンパニーとして、高精度で種類豊富な機種があります。中でも、試料採取から全自動で測定できる機種や、製造プロセス中の濃度管理にも使える機種など、特徴的な装置も展開していますよ。

機種名
(装置名をクリックで製品リンク)
特徴参考価格
自動滴定装置 COM-28機能性が高く価格の安い、コスパのいいモデル。USBを接続すれば約9900データ保存可能。80万円〜
自動滴定装置 COM-28S最大3種類の滴定試薬を接続。12検体まで連続測定可能。100万円〜
自動滴定装置 COM-A19水分測定も可能なモデル。大画面で操作性抜群。135万円〜
自動滴定装置 COM-1760パソコンで操作を制御するタイプ。同時に4種類までの測定が可能。オプションでデータインテグリティに対応した仕様に。173万円〜
全自動滴定装置 ALT-1000試料の採取〜測定、測定後の洗浄までを全自動で行う。最大60検体までセットでき、大量サンプルの終夜運転測定に最適。お問い合わせください
プロセスタイトレータ RTR-1000製造中の濃度管理に最適。複数のラインからサンプリングし自動分析。厳密なプロセス管理に。お問い合わせください

サーモフィッシャーサイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific)

出典:サーモフィッシャーサイエンティフィック Orion Star T920 酸化還元滴定装置およびキット

サーモフィッシャーサイエンティフィックの自動滴定装置は、シンプルで耐久性が高いのが特徴です。装置はOrion Star T900シリーズの1つが展開されています。Orion Star T900シリーズは、pH、酸化還元滴定、イオン滴定ができるものに加えて、オールインワンの機種があります。食品や飲料業界での導入が多く、ルーチン測定に最適です。

参考価格:お問い合わせください

自動滴定装置の中古市場

自動滴定装置は安いものでも新品で100万円前後からなので、購入を躊躇することもありますよね。しかし自動滴定装置は幅広い分野で使われており、市場の流通量も多いので中古市場も大きいです。そのため導入を悩んでいるなら、中古品を検討するのも一つです。

中古品は質が悪い場合もありますが、メーカーのメンテナンスを受ければ、コスパがいい選択です。ですが、中にはメーカーが既にメンテナンス対応を打ち切っている古い製品も販売されていて、大きなリスクが伴うのも事実です。

その点、メーカーの正規代理店の販売する中古品は、使用履歴も明確で、性能の保証もされており、購入後のアフターサービスに不安もなく、安心してお使いいただけます。

まずは、メーカーの正規代理店へ希望する製品の中古品があるか、問い合わせてみてはいかがでしょう。

まとめ

自動滴定装置は、手動での滴定のデメリットをカバーし、迅速に高精度な滴定ができる装置です。自動滴定装置のおすすめメーカーは6社あります。

  • 京都電子工業
  • メトラー・トレド (Mettler Toledo)
  • メトローム(Metrohm)
  • 日東精工アナリテック
  • HIRANUMA(ヒラヌマ)
  • サーモフィッシャーサイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific)

価格帯は、100万円前後〜1000万円ほどです。測定したいものが明確なら、目的を絞った機種を選べば価格を抑えられます。また中古市場もあるので、検討してみてください。

分析計測ジャーナルでは、自動滴定装置の相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

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分析計測ジャーナルライターバッハ

ライター名:バッハ
プロフィール:大手製薬会社において約8年間新薬の開発研究携わる。新薬の品質を評価するための試験法開発と規格設定を担当。さまざまな分析機器を使用し、試験法検討を行うだけでなく、工場での品質管理部門にも在籍し、製薬の品質管理も担当。幅広い分析機器の使用経験があり、数々の分析トラブルを経験。研究者が研究に専念でき、遭遇するお悩みを解決していけるよう様々な記事を執筆中。

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