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研究室・実験室の引越し!おすすめ業者11選

2024.07.24 (Wed)

  • 引っ越し
  • 移設

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bunseki-keisoku

研究室・実験室の引越し業者はいくつかありますが、どの業者がいいのか判断が難しいですよね。また特殊な引越しになるので、業者選びは慎重に行わなければなりません。そこでこの記事では、研究室の引越し業者を選ぶポイントをお伝えし、おすすめの業者を11社紹介します。さらに研究者の負担を軽減するシステムや、よくあるトラブルも挙げましたので、スムーズな引越しの知恵としてお役立てください。

分析計測ジャーナルでは、研究室・実験室の引越しに関するご相談や業者紹介、業者への一括見積もりなどを承っております。お気軽にご相談ください。

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研究室・実験室の引越し業者を選ぶ4つのポイント

まとめ・ポイント

研究室や実験室の引越しは、通常のオフィスや家の引越しと異なり、特殊な機器や試薬を運びます。そのため専門業者しか作業できません。研究室・実験室の引越しができる業者はいくつかありますが、業者選びの際には次の4つのポイントを必ず確認しましょう。初めて実験室を引っ越すときも、この4つをチェックして問題なければ、大外れの業者ではありませんよ。

専門知識と経験

研究室には高価な機器やデリケートな試料が、多く含まれています。これらを適切に扱うためには、専門的な知識が必要です。業者がどの程度の専門知識を持っているか、どのような研修を受けているかを確認しましょう。また、特定の機器の取り扱い経験があるかも重要です。

経験は、同じような案件を過去にどれくらい対応したかどうか、確認しておくのがいいでしょう。研究室の引越しと言っても、企業の大規模ラボの引越しから、大学の小さな研究室の引越しまで、規模はさまざまです。依頼する規模と同じレベルの実績が何件かあれば、安心できますよ。

サービス内容と対応範囲

業者が提供するサービス内容と対応範囲を確認しましょう。たとえば、研究室の引越しには次のようなサービスがあります。

  • 移設前後の入念な調査
  • 梱包から運搬、設置まで一貫して対応
  • 設置後の点検
  • 新規導入機器の搬入および設置

また、遠距離の引越しや、海外への移転を予定しているなら、それに対応できるかどうかも要チェックです。

価格と見積の透明性

価格は重要な要素ですが、単に安いだけで選ぶのは避けてくださいね。見積もりの内訳が明確で、追加費用が発生しないかどうかを確認しましょう。適正な価格かどうかを見極めるには、複数の業者から見積もりを取り、内容を比較するのが重要です。透明性のある見積もりを提供する業者を選ぶと、予算オーバーを防げますよ。

もしものときの対応

研究室や実験室の引越しでは、機器や試料の破損や紛失のリスクが伴います。そのため業者がどのような安全対策を講じているか、保険が適用されるかを確認しましょう。とくに高価な機器や貴重な試料については、保険の内容を詳細に確認し、安心して任せられる業者を選ぶことが重要です。

研究室の引越しおすすめ業者11選

研究室・実験室の引越し業者はいくつかありますが、どこを選べばいいのか難しいですよね。さらにサービス内容や特徴もさまざまで、どこが合っているのか見極めるのにも時間がかかると思います。そこで、おすすめの引越し業者を11社挙げて、各社のサービスをまとめて紹介しますので、業者選定の一つにお役立てください。

アジレント・テクノロジー㈱

アジレント・テクノロジーの移設サービスは、機器1台の移設からラボ全体の海外移設まで、幅広い範囲の引越しに対応しています。機器メーカーでも有名なアジレントは、精密な分析機器の取り扱いを熟知したスタッフが豊富で、デリケートな試料の移設も経験があります。とくに医薬品業界の引越し経験が豊富です。また世界中に支店があるメーカーなので、海外移設の経験もあります。アジレント製の分析機器を多く所有しているなら、機器メーカーのアジレントを検討してみるのはいかがでしょうか。誰よりも機器のことがわかっているので、安心して引越しができますよ。

  • 強み:機器メーカーのため装置の取り扱いを熟知したスタッフが豊富
  • 特徴:小規模な引越しから大規模引越しまで高いクオリティー
  • 過去の経験:医薬品業界を中心に世界中の企業の引越し経験あり

日本通運㈱

日本通運(NX)のオフィス移転サービスは、オフィスだけでなく、学校や病院などの移転にも対応しています。実験室の引越しは、国立施設(国立感染症研究所・科学警察研究所など)や、大学の研究施設の実績があります。また実験室の引越しを業者に依頼したら、搬送は日本通運だったということもよくあります。大切な機器だから失敗は許されない、新築ラボを引越しで絶対に傷つけたくないなら、運搬のプロである日本通運はいかがでしょうか。

  • 強み:運搬のプロが特殊機器を配送
  • 特徴:グループ全体で引越しをトータルサポート
  • 過去の経験:日本各地の病院、大学の移設を経験、年間25,000件の実績No.1

オリエンタル技研工業㈱

オリエンタル技研工業㈱は引越しサービス以外に、研究室の建築設計・測定機器の製造・機器のメンテナンスも行う会社です。そのため精密機器や特殊試薬の取扱いに特化した引越しサービスが受けられます。引越しの計画段階から実施、そして設置に至るまで、すべてのプロセスを丁寧にサポートしてくれますよ。カスタマイズされたサービスで、安心して引越しを任せられるでしょう。

  • 強み:精密機器や化学薬品の専門的な取り扱い技術がある
  • 特徴:豊富な経験を持つスタッフによる丁寧なサポート
  • 過去の経験:大学薬学部、製薬企業、食品会社などの広いジャンルの引越しを経験

㈱バイオテック・ラボ

㈱バイオテック・ラボは、理化学製品の専門商社です。分析機器に精通したスタッフが、引越しプロセスを一貫してサポートしてくれます。バイオテック・ラボは正晃㈱グループの一つで、グループ一丸となって実験室の引越しに対応してくれますよ。たとえば、特殊建設業認可の部門が、ユーティリティの設定やクリーンルームの設置などをします。㈱バイオテック・ラボはバイオテクノロジー分野での引越し経験が豊富です。

  • 強み:精密機器やバイオ試料の取り扱い技術がある
  • 特徴:専門スタッフによる丁寧な仕事
  • 過去の経験:東京大学工学部・国立がん研究センター・都内大手食品会社など多数経験

ヤマト科学㈱

ヤマト科学㈱は、試薬や実験機器メーカーとして研究室では知られている存在ですが、引越しサービスも行っています。ヤマト科学の引越しサービスは、引越し前の準備から設置まで一貫してサポートしてくれるので、作業の手間が削減されます。引越し先の条件に合わせて実験室設備の提案などもしてくれるので、新規設備を他社に依頼しなくてもいいのはとてもラクですよ。

  • 強み:高度な輸送技術と専用梱包材
  • 特徴:研究施設の設計・施工から保守管理までのトータルサポート
  • 過去の経験:多くの大学や研究機関、民間企業の実験室移設を成功させている

大学生協事業連合 (東京地区の大学のみ対象)

大学生協事業連合は、東京地区の大学の研究室引越しに使えるサービスです。大学の生協が提供するサービスなので、校費払いができます。引越しを請け負うのは、SGムービング㈱という引越しや輸送のプロ。キャンパスの引越しから同じ建物内の引越しまで、対応しています。大学内のちょっとした引越しには、大学生協事業連合の引越しサービスを検討してみてください。

  • 強み:引越しのプロが搬出・運搬・搬入してくれる。校費払い可能
  • 特徴:東京地区の大学のみ対象
  • 過去の経験:大学内の研究室移動、キャンパス引越しなど

貴商エンジニアリング㈱

貴商エンジニアリング㈱の引越しサービスは、引越しに伴う全ての作業(運送会社手配・設備工事・廃棄物処理)を一括で手配してくれます。社員説明会も担当者に代わって貴商エンジニアリングのスタッフがしてくれるので、ストレスが少なくなりますよ。ドラフトチャンバーや純水装置も製造しているメーカーなので、特殊機器の取り扱いも安心。専門スキルを持ったスタッフが、チームを組んで確実に作業をしてくれます。半導体産業や医療機器業界の引越しなら、貴商エンジニアリングはいかがでしょうか。

  • 強み:専門スキルを持ったスタッフが担当
  • 特徴:窓口一本化で負担軽減
  • 過去の経験:半導体産業や医療機器業界など

島津グループ

㈱島津理化㈱島津アクセスの引越しは、分析機器メーカーならではの高度なサービスが受けられるのが特徴です。機器メーカー大手の島津製作所が、グループ一丸となって引越しを行います。引越しに関係する業務は全て任せられるのはもちろん、引越し後の定期保守点検や消耗品取り替えまで全てサポート。環境問題や各種法令・規則にも準拠した管理もあるので安心です。島津以外の機器でも取り付け後のメンテナンスが受けられ、トラブルがあれば機器のプロが丁寧に修理してくれますよ。大学、医薬品企業、食品企業、病院など、幅広いジャンルの引越しを請け負った経験も、信頼できるメーカーの一つです。

  • 強み:老舗機器メーカーのグループ会社なので機器のことを熟知
  • 特徴:グループ会社全体で引越しをサポート
  • 過去の経験:400件を超える実績

㈱ナイカイ

㈱ナイカイは、理化学機器の移転をメインにサービスを展開する企業です。実験室の引越し専門業者なので、経験が豊富。お客様の負担をできるだけ軽減する、をモットーに引越しに伴う作業は全てお任せできます。無駄なコストを削り、納得のいく価格でサービスを提供しているので、満足度が高いです。創業から15年ほどで国立施設、市町村施設、独立行政法人、大学などを中心に、さまざまな引越しを経験しています。

  • 強み:理化学機器の移設専門業者
  • 特徴:引越しに関する業務を一元管理
  • 過去の経験:国公立施設の引越しを150件以上経験

㈱グロービック

㈱グロービックは、大学や大手企業からの引越しを多く経験している業者です。研究機器の知識がある方が担当してくれるので、繊細な機器でも安心して引越しを任せられますよ。作業はグロービックと運送会社が、共同であたります。運搬作業はグロービック社員が立会い、安全に輸送。ユーティリティー工事も依頼できるので、忙しい研究者のサポートは万全です。

  • 強み:ユーティリティーの調査施工も可能
  • 特徴:得意分野を持ったスタッフが担当
  • 過去の経験:国公立施設、国内大手企業、日本政府支援の海外プロジェクトも経験

ブルームビルド㈱

ブルームビルド㈱は研究室・実験室の引越し専門メーカーです。これまでに製造企業、大学官公庁の研究部門などの引越しを経験。綿密な計画を元に、スムーズに作業を進めてくれます。とても大切に機器を取り扱ってくれて、状況によっては機器を一時的に置くために仮設小屋まで設置することも。満足度100%を目指している企業なので、とても親切で丁寧な引越しサービスが受けられます。

  • 強み:場合によっては機器保管のために仮設小屋を設置
  • 特徴:綿密な計画と丁寧な作業
  • 過去の経験:大学、医療機関、公立施設、企業など幅広い業種の引越しを経験

研究室・実験室の引越しでよくあるトラブル

引越しはトラブルがつきものですよね。研究室や実験室の引越しには、特有のトラブルや課題があります。よくあるトラブルをまとめて、解決策も紹介するので、引越し前にトラブルを予知しておきましょう。

移設後のレイアウトがイマイチ

引越し後に、期待した通りのレイアウトにならないことがあります。これは、移設前に詳細なレイアウトプランを作成しなかったり、新しい場所のスペース制約を十分に考慮しなかったりするのが原因です。特に大型機器や特殊な設備を配置する際には、電源や排気の位置も考慮した詳細な設計が必要です。事前に綿密な打ち合わせを行い、仮配置をシミュレーションすることがトラブル回避の鍵ですよ。

移設後に機器が正常に動かない

移設後に機器が正常に動作しないと、業務に大きく影響します。精密機器や高価な実験装置は、輸送中の振動や衝撃によって故障するリスクがあります。こんな事態を防ぐためには、適切な梱包と専門的な取り扱いが不可欠です。引越し後に正常に動くかどうか、業者に点検してもらえると安心できます。

引越し作業が長引き実験が再開できない

引越し作業が予定よりも長引くと、実験や研究の再開が遅れます。これは、引越し作業の計画が不十分であったり、予期しない問題が発生したりすることが原因です。引越し計画を立てる際には、作業手順を詳細に計画し、進行状況を逐次確認しましょう。あらかじめ予備日を設定しておけば、当初の予定より作業が遅れても焦ることはないです。

移設先のユーティリティーが不足していた

新しい場所に移設した後、電源や水道、ガスなどのユーティリティーが不足していることがあります。これにより、機器が正常に稼働できず、研究が妨げられる可能性があります。移設前に新しい場所のユーティリティー設備を詳細に確認し、不足があれば事前に手配することが大切です。とはいえ、研究者が機器一つ一つのユーティリティーの確認をするのは、難しいですよね。そのため電気技師や設備業者など、プロに依頼して設備を整えるのがおすすめですよ。

想定していた搬入搬出経路が通れなかった

引越し当日に、想定していた搬入搬出経路が通れないというトラブルも発生します。エレベーターに機器が乗らず、急遽クレーンを使って窓から搬出した、という事例はよくみられます。大きな分析機器は突出している部分や、付属の配管などは、計測モレが起きやすいです。代替経路を準備したり、クレーンなどの設備を手配したりしておけば、このような事態も乗り切れますよ。

忙しい研究者には「一括マネジメント方式」の引越しがおすすめ

研究室の引越しは、通常業務や研究に加えて作業が発生するので、とても忙しくなります。日々のルーチンをこなしながらの引越しは、体力的にも精神的にもかなりしんどいです。そのため「一括マネジメント方式」の業者に引越しを依頼すれば、作業を全てお任せできて、研究者の負担が軽減できます。さらに実験室の引越しのプロが手配してくれるので、不測の事態も避けられます。

一括マネジメント方式について解説し、対応している業者も紹介します。

一括マネジメント方式とは?

一括マネジメント方式とは、引越しに関係する業務を請負企業に全て依頼し、手配してくれるシステムです。研究室の引越しには運搬作業以外に、ユーティリティー工事の依頼、機器メーカーへ移設後の調整作業依頼、新規機器等の購入などの作業が発生します。それぞれの業者とのやりとりは煩雑で、忙しい研究者には負担が大きいです。さらにユーティリティーや建築など専門的な分野もあり、作業の有無の判断も難しいこともあります。

一括マネジメント方式で依頼すると、通常の業務や研究を行いながら、できるだけ負担のない引越しができます。依頼側は担当者1名が窓口になるだけで、あとは全て引越し業者が作業を行います。大規模な引越しの場合はとくに、全てをお任せできる一括マネジメントを引越し業者にお願いするのがおすすめです。

一括マネジメントをお願いできる業者

今回紹介した業者のうち、一括マネジメント方式で引越しを依頼できるのは、次の9社です。

  • アジレント・テクノロジー㈱
  • 日本通運㈱
  • オリエンタル技研工業㈱
  • ㈱バイオテック・ラボ
  • ヤマト科学㈱
  • 貴商エンジニアリング㈱
  • 島津グループ
  • ㈱ナイカイ
  • ㈱グロービック

私も会社員時代に実験室の引越しを経験しましたが、通常の業務に加えての引越し作業は本当に大変でした。一括マネジメント方式で依頼しても、社内文書の改定や施設ならではのルール作りなど、どうしても引越し業者に依頼できないことも多々あります。そのため少しでも引越しによる作業を軽減するためにも、できるだけ業者に作業をお願いするのが得策です。

まとめ:業者選びに迷ったら分析計測ジャーナルへ

研究室・実験室の引越し業者は、専門知識があり経験豊富な業者に依頼するのがおすすめです。これまでに大学や企業の実験室引越しを多数手がけており、信頼できる業者は以下の11社です。

  • アジレント・テクノロジー㈱
  • 日本通運㈱
  • オリエンタル技研工業㈱
  • ㈱バイオテック・ラボ
  • ヤマト科学㈱
  • 大学生協事業連合
  • 貴商エンジニアリング㈱
  • 島津グループ
  • ㈱ナイカイ
  • ㈱グロービック
  • ブルームビルド㈱

一括マネジメントで依頼すると、通常業務と平行しながら引越し作業ができます。引越しには高額な費用がかかりますが、複数社に見積もりを取ると、コスパのいい引越しができますよ。しかし複数社で見積もりをするのは、手間がかかる点がデメリット。そのため分析計測ジャーナルでは、研究室・実験室の引越しに関する業者選定や見積もりを承り、最適な業者をご紹介します。お気軽にお問い合わせください。

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分析計測ジャーナルライターバッハ

ライター名:バッハ
プロフィール:大手製薬会社において約8年間新薬の開発研究携わる。新薬の品質を評価するための試験法開発と規格設定を担当。さまざまな分析機器を使用し、試験法検討を行うだけでなく、工場での品質管理部門にも在籍し、製薬の品質管理も担当。幅広い分析機器の使用経験があり、数々の分析トラブルを経験。研究者が研究に専念でき、遭遇するお悩みを解決していけるよう様々な記事を執筆中。

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