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研究室にあると便利なマイクロチューブ5選!イラストで詳しく紹介

2022.12.20 (Tue)

  • マイクロチューブ

記事を書いた人 :

bunseki-keisoku

研究室

マイクロチューブは有機化合物のアッセイをする際などにとても便利です。この記事では、マイクロチューブの素材の違いによる保存物への影響などについて解説します。研究室に最低限揃えておくと便利な5種類のマイクロチューブについても紹介していますので、最後までご覧ください。

マイクロチューブなどの消耗品を購入する際は、分析計測ジャーナルにご相談ください。

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マイクロチューブは何に使う?

マイクロチューブとは、微量遠心管とも呼ばれている溶液の保存容器です。多くても数ミリリットルスケールの少量の試料を扱う際に便利な容器です。マイクロチューブの主な使い道は主に3つあります。

  • 生体試料のPCR試験で使用
  • 有機化合物溶液の保存に便利
  • 細胞実験時の溶液調製に使える

生体試料のPCR試験で使用

ほとんどのマイクロチューブはポリプロピレンという耐熱性の素材で作られています。そのため、オートクレーブやPCR試験など加熱する処理が必要な時にも使用可能です。

PCR試験とは、特定の塩基配列を持つ鋳型となるプライマー共存下で生体試料などを増幅させて、その塩基配列を特定する実験手法です。この実験では、70℃から90℃ぐらいの加熱操作を伴います。ポリプロピレン製のマイクロチューブは耐熱性であるため、PCR試験にも使用可能です。

有機化合物溶液の保存に便利

創薬ターゲットとなる有機化合物を合成した際、その化合物の効果を調べるためにアッセイを行います。毎回有機化合物の質量を測定し、決まった濃度の溶液を調製するのは大変ですよね。そのため、多くの研究室では10mMのストック溶液を調製し、それを冷凍保存しておくのが一般的です。マイクロチューブは有機化合物溶液の保存容器としても使用できます。

細胞実験時の溶液調製に使える

先ほどお話ししたように、マイクロチューブは熱に強いという特性を持ちます。細胞実験に用いる実験機器はコンタミネーションを避けるため、滅菌処理を施すのが一般的です。マイクロチューブはオートクレーブにかけることもできるので、細胞実験に使用する溶液の調製容器としても使えます。

マイクロチューブの主な3つの素材

素材

マイクロチューブの主な素材は3つあります。それぞれの素材によって使い方が異なるため、使用用途に合わせて材質を選ぶと良いでしょう。

  • ポリプロピレン
  • ガラス
  • 遮光性の素材

ポリプロピレン

ポリプロピレンは塩酸やギ酸、ジメチルスルホキシドなど多くの水溶液、有機溶媒に対して耐性を持つため、多くのマイクロチューブの材質として使用されています。しかし、クロロホルムに対しては耐性を持ちません。DNA試料などの分離にクロロホルムを使用する際は、ポリプロピレン製のマイクロチューブを使用できません。WATSONが耐性一覧表を掲載しているので、詳しくはそちらをご参照ください。

ガラス

ガラスはクロロホルムに対しても耐性を持つので、そのような分離操作時にも用いられます。また、ポリプロピレン製に対して高い透明度を持つので、試料に光照射をする際の容器としても使用可能です。ポリプロピレン製に比べて高価なため、常用には不向きです。

マイクロチューブ

遮光性の素材

光に弱い化合物を保存したい場合もあると思います。その場合は、遮光性のマイクロチューブを使うと良いでしょう。

研究室にあると便利なマイクロチューブ5選

マイクロチューブには数え切れないぐらいの種類があるため、それらを全て揃えることは現実的ではありません。そこで、研究室に最低限揃えておくと便利なマイクロチューブを5種類紹介します。それ以外のマイクロチューブに関しては、必要に応じて適宜買い足すと良いでしょう。

1.5mL ナチュラル マイクロチューブ

容量1.5mLのマイクロチューブは色んな場面で用いられます。有機化合物数mgをDMSOに溶解させて10mMストック溶液を調製する際、溶液量は大体の場合で数百マイクロリットルになります。1.5mL容量のマイクロチューブであればそれをカバーできるので、色んな場面で重宝されるでしょう。

1.5mL 遮光マイクロチューブ

これは研究室によると思いますが、光に弱い化合物を扱う場面もあると思います。その場合は、遮光性のマイクロチューブをストックしておくととても便利です。マイクロチューブをアルミホイルで覆って簡易的に遮光することもできますが、どうしても遮光性は落ちてしまいます。光分解する化合物を扱う研究室は、遮光性のマイクロチューブも用意しておくと良いでしょう。

1.5mL ガラス製 マイクロチューブ

有機化学の研究室だけでなく、生物系の研究室も試料の分離操作で有機溶媒を使用することはあると思います。その際に、クロロホルムなどの有機溶媒に耐性のあるガラス製マイクロチューブはとても便利です。ポリプロピレン製のものに比べて高価なので、本当に必要な時だけ使用すると良いでしょう。ポリプロピレン製のものと同じ作りになっているため、遠心分離機などは同じものを使用可能です。

0.6mL ナチュラル マイクロチューブ

1.5mLのマイクロチューブにごく少量の溶液を保存するのはおすすめしません。底に溶液が残ってしまうため、どうしても無駄が生じます。高価なアッセイ用の蛍光プローブなどを使用する際は、数マイクロリットルといえども無駄にしたくないですよね。そのような場合に備えて、容量の小さいマイクロチューブを用意しておくととても便利です。

有機化合物のストック溶液を何度も解凍・再冷凍するのは推奨できません。壊れやすい化合物などは特に、小さいマイクロチューブに小分けして冷凍保存することをおすすめします。小容量のマイクロチューブはそのままでは遠心分離機にかけられません。しかし、大きいサイズのマイクロチューブの中に小容量のマイクロチューブを入れることで、同じ遠心分離機を使用可能です。

マイクロチューブ

2mL スクリューキャップ マイクロチューブ

多くのマイクロチューブのキャップはロック式です。通常の使用で問題となることはありませんが、より強い加速度の遠心分離機を使用する際はふたがはずれてしまう恐れがあります。スクリューキャップ式のマイクロチューブは、キャップ式のものに比べて耐遠心強度が強い傾向にあります。強力な遠心分離機を使用する研究室は、スクリューキャップ式のマイクロチューブも用意しておくと良いでしょう

分析計測ジャーナルは研究使用消耗品も取り扱っています

マイクロチューブは有機化合物の保存容器やPCR試験の容器など、さまざまな場面で活用されています。材質ごとに適した使用用途が異なるため、研究室に合わせて必要なマイクロチューブを用意しておくと良いでしょう。

分析計測ジャーナルでは、研究使用消耗品も取り扱っています。マイクロチューブなどの消耗品を購入する際は、分析計測ジャーナルにご相談ください。

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