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分析装置は所有しない時代へ!「必要な時だけ分析したい」を叶える"公設試"活用術

2024.01.11 (Thu)

  • 公設試

記事を書いた人 :

bunseki-keisoku

「分析を行いたいけど装置が高額だから購入を躊躇してしまう」
「分析の頻度が高くないから装置を買うほどでも…」
「必要な時だけにサッと分析が行えたらいいのに」

そういった研究者の方は、分析装置を購入するのをためらわれるところですよね。

そんな方のために、装置を購入する以外の手段で分析を行う方法をご紹介いたします。

公設試験研究機関=「公設試」とは?

「公設試」をご存じでしょうか?公設試は「公設試験研究機関」の略称です。

公設試は地方自治体が設立した機関で、地域の中小企業の技術に関する相談窓口として、様々な支援を行っています。

具体的には、

●技術相談ができる
●機器を使わせてもらえる
●分析の依頼ができる
●共同研究ができる

等、様々な形で支援を受けることが可能です。

公設試をうまく利用すれば、分析などを行う際に「機器を購入する」という選択肢以外にも「まずは公設試に相談に行ってみる」ことで、課題の解決に繋がる場合があります。

公設試で出来ることは?

●技術相談ができる

知識がある専門スタッフに相談することで、様々な課題についてアドバイスや情報提供を受けることができます。

●機器を使わせてもらえる

施設にある装置を必要な時だけ使用できるので(有料、但し民間より安価)、高額な装置を購入することなく分析を行うことが可能です。

●分析の依頼ができる

分析を委託したり、技術的なアドバイスを受けることができます。

●共同研究ができる

地域の中小企業・大学が公設試とパートナーシップを構築し、共同で技術開発を行ったり製品化に向け共創していくことができます。

京都の公設試

ここで例として、京都の公設試である「京都府中小企業技術センター」を見てみましょう。

●京都府中小企業技術センター

京都府中小企業技術センターは、公設の試験研究機関で、技術相談・依頼試験・機器貸付をはじめとした技術支援、研究会・セミナーによる人材の育成、企業のニーズに応えた研究開発や産学公連携の推進、企業に役立つ技術情報の発信を業務の柱として、企業への支援を行っています。

こちらのHPに掲載の【まんが「技術のよろず相談所」】は、センターの概要について漫画形式で説明されています。「センターの利用方法がよくわからない」という方も、漫画だと問題解決までの流れを理解することができます。

センターの利用方法はもちろん、公設試を利用する際の大まかな流れを知ることができるので、気になる方は一読してみてはいかがでしょうか。

京都の他の公設試も見ていきましょう。

●独立行政法人京都市産業技術研究所

京都市産業技術研究所は、伝統産業から先進産業まで、地域産業を技術面から支援する公的な産業支援機関です。

製品の開発・改良、製造工程、品質管理などの技術相談に、各分野の研究員が応えてくれる「技術相談」、製品開発や品質向上のために、製品や素材の性能・成分・精度などを調べる「試験分析・機器利用」、その他にも産技研技術の活用、事業パートナー探しの他、販路開拓や商品PR方法などのニーズに沿った各機関等の紹介など、ものづくりを活性化させるための活動について、幅広く相談を受け付けています。

●京都府織物・機械金属振興センター

京都府織物・機械金属振興センターは、京都府の日本海側・京丹後市に位置し、「丹後ちりめん」で知られる織物業と機械金属業を中心に技術支援や人材育成研修等を行う京都府の公設試験研究機関として100年以上の歴史を持っているセンターです。

主に技術相談、依頼試験及び機器貸付により、技術的な課題の解決に取り組んでいるセンターで、新製品・新技術の開発、品質管理、技術改善、研究開発等、日々企業が抱えている技術的な悩みや課題について、センターの職員がアドバイスや情報提供等を相談無料で行っています。

また、企業からの依頼に応じて、織物、工業材料や部品・製品等の試験・分析・測定を有料で行い成績書を発行したり、センターに設置している試験・分析・測定・加工用の機器について、有料で企業の方々に貸付なども行っています。

各地域の公設試の特色

公設試は、設置されている都道府県ごとに特色が異なります。例えば先ほどご紹介した京都府織物・機械金属振興センター」は、かねてより織物・機械金属業が盛んな地域だからこその公設試です。

このように、その地域独自の公設試というのは各都道府県にあります。例えば愛媛の「紙産業技術センター」は、大王製紙の本社があり、紙産業が盛んな愛媛ならではの公設試と言えるでしょう。

他にも北海道にある「北海道立オホーツク圏地域食品加工技術センター」などは、道内の豊かな農水産物資源を活用した食品工業の振興をはかるためのセンターであることがわかります。

公設試は、都道府県ごとにその地域に根付いた産業振興のための施設があります。相談をきっかけに中小企業・大学と公設試の間に新たなパートナーシップが生まれることも少なくありません。

「分析装置を購入するのは予算的に厳しい」といったお悩みをお持ちの方も、まずはお近くの公設試を検索し相談に行ってみることで、「装置を購入する」以外の方法で課題解決の糸口をつかんだり、共創という新たな価値を発見することができるかもしれません。

例えば経済産業省が公開している公設試一覧などを見てみて、各施設でどんな相談や依頼が出来るのかを調べてみてはいかがでしょうか。

きっと良い解決方法が見つかるはずです。それでも見つからない場合は、一度こちらまでお問い合わせ下さい。

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