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FTIRの購入、ちょっと待った!まず「赤外分析手法」を調べよう ~メリット&デメリットの確認~

2020.12.28 (Mon)

  • FTIR

記事を書いた人 :

bunseki-keisoku

「FTIRを購入したいけど、どうしたら最適なものを選べるだろうか…」

FTIRの購入をお考えの方、そんな風にお困りではないでしょうか?

最適なFTIRを自分で調べるのは難しいですよね。

「よくわからないまま高価なFTIRを購入して、思った通りの分析結果が得られなかったらどうしよう…」

そんな不安いっぱいの状態では、何を調べていいのかすらわからないのではないでしょうか。

そこでこちらの記事では、

「まず自分が何をしたいのか」=「どんな分析を行いたいのか」

を整理していきます。

自分の希望をはっきりさせることができれば、FTIRの販売店の営業マンとの商談もスムーズになります。そうすればおのずと、最適なFTIRの選択へとつながっていくことでしょう。

ではここから一緒に、頭の中を整理していきましょう。

■そもそもFTIRとは(FTIRの原理)

そもそもFTIRとは何を指すのでしょうか。まずはそちらから見ていきましょう。

FTIR はフーリエ変換型赤外(Fourier transform infrared)の略で、赤外分光法でよく利用されている方法です。赤外線放射がサンプルを透過するとき、放射の一部はサンプルに吸収され、一部は通り抜けます(透過)。その結果、検出器の信号はサンプル分子の「指紋」を表すスペクトルになります。異なる化学構造(分子)からは異なるスペクトルの「指紋」が発生するという点に赤外線分光法の有用性があります。

つまり、FTIR とは

  • フーリエ変換は、検出器の出力を解釈可能なスペクトルに変換します。
  • FTIR はパターンのあるスペクトルを生成し、これによってサンプルの構造を考察することができます

(参照:サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社

https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/industrial/spectroscopy-elemental-isotope-analysis/spectroscopy-elemental-isotope-analysis-learning-center/molecular-spectroscopy-information/ftir-information/ftir-basics.html)

FTIRの原理は、こういったものになります。

■まず初めに「分析手法」を調べよう

FTIRとは何か?をまずはお伝えしましたが

「それを知ったところで、最適なFTIRを選べるわけじゃない!」

そうお思いでしょう。

確かにFTIRの原理も大事ですが、その前におさえておきたいポイント、それは、

『分析手法を知る』

ことです。

分析手法とは、例えば下記のようなフローチャートがあります。

(参照:株式会社島津製作所カタログ「FTIRシリーズ付属品ハンドブック」より)

FTIRを購入したいということは、「分析したい試料がある」ということだと思います。

その分析したい試料について、「〇〇法という分析手法で行います!」とすぐに答えることができますか?

わからない方は一度フローチャートで、分析手法を調べてみて下さい。

「試料は”固体”で、種類は”粉体”で…」といったようにチャートをたどっていけば、おのずとご自身のサンプル形状・種類に適した分析手法が見つかるはずです。

この分析手法がわかったら、必要な付属品がわかります。そうすると、その付属品を搭載できるFTIRはどれなのか?としぼりこんでいくことができるのです。

■分析手法を把握していないと起こる失敗例

ではなぜ分析手法を把握しておかないといけないのでしょうか。

分析手法をきちんと把握できていないと、

・分析手法によって必要とされる付属品がわからない

・最適な装置の選定までに時間がかかってしまう

・営業マンとの商談がスムーズに進まない

といった失敗がおこってしまいます。

FTIRの販売店の営業マンに、いきなり「FTIRの購入を考えているんだけど…」と話をしてしまうと、色々なFTIRを次々と紹介されることになります。

そうすると「一体何を買えばいいのか…」となることは想像できますよね。

そうなる前に「自分は〇〇といった試料を使って〇〇法で分析したい」と要望を伝えましょう。要望をわかりやすく伝えることが、最適なFTIRを選ぶための第一歩です。

■便利な「ライブラリ」「データベース」といったものも

また、「スペクトルライブラリ」「スペクトルデータベース」という便利な商品もあります。

FTIRは、どんな試料からでも簡単に迅速にIRスペクトル(結果)を取得することができ、定性(同定)に大変便利な装置ですが、取得したIRスペクトルを正しく解釈するには、知識と経験が必要になります。

その知識と経験を補うのが「スペクトルライブラリ」などのデータベースになります。ライブラリ(データベース)は標準的な物質のIRスペクトルを多数収録したもので、試料から取得したIRスペクトルをソフトウェア上でライブラリ検索・照合することで、化学物質を考察することができます。

FTIRが定性(同定)に優れた装置であることは確かですが、ご自身の課題、扱う試料によっては、その他の分析装置を用いた方が効率的である場合もあります。

まとめ

FTIRの購入を検討するとき、「どこのメーカーがいいか?」「どの型番のものにすればいいか?」そういったことばかりを考えてしまいがちですよね。

ですが、すぐに「どのFTIRを選ぼうか?」と何も考えずに突き進むのではなく、まずはいったん頭の中を整理してみるのはいかがでしょうか。

「自分に最適なFTIRを選びたい!」そうお考えの方、また、「FTIRについてこんな記事が読んでみたい!」そんな方、お気軽にご相談・ご連絡ください。

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bunseki-keisoku