お役立ち

超純水装置のおすすめメーカー8選

2025.03.14 (Fri)

  • 超純水
  • 超純水製造装置

記事を書いた人 :

bunseki-keisoku

超純水装置のメーカーは国内外に多数あり、機種の種類も豊富なので選択に迷うことが多いでしょう。また1メーカーで多くの機種を展開しているので、どの機種が最適なのか判断が難しいこともあります。

そこでこの記事では超純水装置のおすすめメーカーを8社紹介し、装置の選び方についても詳しく解説します。初めての超純水装置選びに困っているなら参考になりますよ。

分析計測ジャーナルでは、超純水装置の相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはコチラ

超純水装置とは?仕組みや水の種類を解説

超純水装置とは、純度の非常に高い「超純水」を製造するための装置です。超純水は、水の中に含まれる不純物(イオン、微粒子、有機物、細菌など)を極限まで取り除いたものです。この高純度な水は、化学実験や半導体製造、医薬品開発など、非常に高い品質が求められる分野で活躍しています。超純水の特徴について、詳しく解説しましょう。

超純水とは?

「超純水」とは、不純物のほとんどを取り除いた水のことで、化学的にも物理的にも非常に純度の高い状態を指します。水道水や純水には微細なイオンや有機物が含まれますが、超純水はそれらをほぼ完全に除去し、H₂Oのみの状態に近づけたものです。

超純水は純度を電気抵抗率(単位:MΩ・cm)で評価します。理論的に最も純度の高い水は、「25℃で18.2MΩ・cm」で、この値に近いほど純度の高い水です。

超純水装置の仕組み

超純水装置の一般的な構造は、以下のような流れで水を精製します。

ポンプで送られてきた純水は最初に超純水カートリッジを通過し、イオンや有機物を物理的に除去します。次にUV照射にて残っている有機物を紫外線(波長185nm)にて分解。イオン交換樹脂では、水に含まれるイオンを除去します。最後に電気抵抗率を測定し、理論値の18.2MΩ・cmに近い値かどうかを確認するのです。採水口を開けると超純水が出てきますが、採水フィルターが装着されており最後にさらに精製されたものが出てきます。

水の精製法について、以下の記事にて各手法を詳しく解説していますので参考になさってください。

超純水装置の選び方

選び方

超純水装置は用途や環境によって最適な機種が異なるため、いくつかのポイントを押さえることが重要です。装置選びの際に検討すべきポイントをわかりやすく解説しましょう。

1日使用量で選ぶ

超純水装置には1日あたりの最大生成量(L/日)が設定されており、使用量に応じた機種を選ばなければなりません。

小型タイプ(5~20L/日)

  • 化学実験や試薬調製用
  • 少人数の実験室や個人利用

中型タイプ(20~100L/日)

  • 日常的にHPLCやICP-MSなどの分析機器を稼働
  • 複数人で使用している実験室
  • 細胞培養など1回の純水使用量が多い実験をする場合

大型タイプ(100L以上/日)

  • 半導体製造や医薬品製造の工場
  • 多くの実験室が共有で使用する場合

使用量で選ぶときのポイントは、必要量より少し多めの容量を想定すること。多めの容量を持った装置なら、将来実験室の人数が増えたり、実験の種類が変わったりしても安定供給ができるからです。

使用目的で選ぶ

使用目的によって超純水装置の仕様が異なります。大きく分けて3つの精製方法から装置を選びましょう。

種類用途
標準タイプ一般的な化学実験、器具洗浄
UVランプ搭載タイプHPLC、ICP-MS、GC-MSなど
UVランプ&UV膜カートリッジ搭載タイプ細胞培養、遺伝子実験

引用:ADVANTEC 超純水装置RFU600DAシリーズカタログ

一般的な化学実験ならそこまでの純度が必要ないので、純水レベル(電気抵抗率0.5MΩ・cm)以上の純度があれば問題ありません。HPLCなどの高度な検出力がある機器分析に用いる場合は、電気抵抗率18.2MΩ・cmの超純水を選びましょう。細胞培養で使う場合は、細菌やエンドトキシンが一切含まれない超純水が必要です。

設置スペースで選ぶ

設置する場所のスペースも重要な検討基準です。実験室の規模やレイアウトに合わせて以下のタイプを検討しましょう。設置場所の寸法を測定してから選ぶと、設置後のトラブルを防げますよ。

卓上タイプ

  • コンパクトでデスクや棚の上に設置可能
  • 少量の超純水を必要とする場合に最適

キャビネットタイプ

  • 床置き型で大容量を供給可能
  • 多人数で利用する施設や1日の利用量が多い場合に最適

ユニットタイプ

  • 製造用などに用いる大型タイプ
  • 工場設備の一部として製造ラインに組み込む

水源で選ぶ

超純水装置の水源は「水道直結型」と「タンク補充型」の2種類です。「水道直結型」は、蛇口に直接接続するため、水道水のように常時超純水を利用できるメリットがあります。ただし、超純水装置の設置場所が水源の近くに限定されます。

一方「タンク補充型」はタンクに純水をあらかじめ入れておくタイプです。水源のない場所で超純水を使用でき、持ち運びも可能なので、どんな場所でも超純水が使えます。小型なので実験台に置いても作業スペースは確保できます。ただしタンク内が空になれば、純水の補充が必要です。小規模な実験で水源のない複数箇所にて超純水を使用したいなら、タンク補充型がおすすめですよ。

 Milli-Q® SQ 2シリーズ

超純水装置のおすすめメーカー8選

超純水装置のおすすめメーカーを国内外問わず8社厳選して紹介します。これらのメーカーは大手企業や大学の研究室での導入実績はもちろん、工場の製造ラインにも導入されているものもあります。用途や予算に応じて選べるよう解説しているので、メーカー選びの参考にしてくださいね。

メルク㈱

出展:AXEL 超純水装置Milli-Q IQ7000

メルク㈱はドイツに本社を構える世界的な科学技術企業で、医薬品、ライフサイエンス、電子産業向けの製品を幅広く提供しています。メルクの超純水装置は「Milli-Q(ミリキュー)」シリーズとして知られており、世界的に大きなシェアで人気シリーズです。実験室によっては超純水のことを、「ミリQ水」と呼ばれているほど親しまれています。

超純水装置は大型〜小型までニーズに応じたラインナップです。またタンク補充型のMilli-Q SO2シリーズも展開しています。豊富な実績と幅広い機種を展開しているメルク㈱は、超純水装置探しの第一選択になり得るメーカーです。

オルガノ㈱

オルガノ㈱は日本を代表する水処理技術の総合メーカーです。オルガノ㈱の超純水装置は実験室用のコンパクトなものから、工場用のユニットタイプまで種類豊富にそろっています。ラボ用超純水装置の「Purelite(ピュアライト)」シリーズは幅35.4cm✕奥行33.5cmなので、実験台に置いても邪魔になりません。大型の超純水装置は工場の設備に合わせてカスタマイズもできます。国内メーカーならではの迅速な対応もあり、初めての超純水装置の導入なら心強いメーカーです。

ELGA LabWater(エルガ ラボウォーター)

出展:ELGA VEOLIA エルガ製品の特徴

ELGA LabWater(エルガ ラボウォーター)は研究室用の純水・超純水装置を専門に製造しているメーカーです。スタイリッシュなデザインの超純水装置で、実験室を明るくさせてくれます。PURELAB Questシリーズは、水道水の蛇口につなぐだけで、超純水が使える装置です。さらに背面のマニュアル採水口から純水も取れます。小型の実験室で純水も超純水も必要なら、エルガラボウォーターを検討してみてください。

アドバンテック東洋㈱

アドバンテック東洋㈱の超純水装置は、使いやすさと安定した水質が特徴です。研究室や小規模な用途向けに設計された製品が充実しており、コストパフォーマンスにも優れています。たとえばRFU400シリーズは50万円台〜で、予算の少ない研究室でも導入しやすい価格帯です。さらに大型カラースクリーンで使いやすさも抜群ですよ。アドバンテック東洋㈱は、操作に不安があるときや予算が限られているときに最適なメーカーです。

栗田工業㈱

出展:栗田工業㈱マクエース UP-R型

栗田工業㈱は国内外の産業用水処理や排水処理、超純水の供給において幅広い実績を持つ企業です。超純水装置は、工業用が中心で、安定した供給と高い品質を誇ります。大型の装置になると電気代などのランニングコストも気になりますが、ROに超低圧膜を採用しておりポンプの省力化を実現し、さらに流量アップもしています。半導体製造や医薬品生産など、産業用の大規模な超純水システムが必要なら最適のメーカーです。

Thermo Fisher Scientific(サーモフィッシャーサイエンティフィック)

Thermo Fisher Scientific(サーモフィッシャーサイエンティフィック)には研究室用の純水・超純水装置が数多くあります。とくに高精度な分析や分子生物学研究向けに設計されています。サーモフィッシャーサイエンティフィックの超純水装置は100種類を超えるラインナップですが、用途と水源および1日使用量から最適な装置を選べる選定ガイドがあるので、装置選びも簡単です。コンパクトなサイズ感も人気の一つになっています。ラボ用純水装置で使用目的が明確なら、サーモフィッシャーサイエンティフィックを検討してみてください。

ザルトリウス・ジャパン㈱

出展:SARTORIUS 製品超純水装置

ザルトリウス・ジャパン㈱はドイツに本社を置くザルトリウスグループの日本法人で、ライフサイエンス研究やバイオテクノロジー分野で使用される機器や消費品を提供しています。超純水装置はシンプルなデザインで、どんな実験室にも馴染みやすくなっています。ラボ用超純水装置は目的に応じたラインナップで、省スペースに設置できるもの・HPLCやICP-MS用・細胞培養用と3つのタイプに分かれているので選びやすいです。

東京理科器械㈱(EYELA)

東京理科器械㈱(EYELA)の超純水装置は日本国内向けに設計されており、安定した水質供給とコストパフォーマンスの良さが特長です。実験室で使いやすい卓上タイプとキャビネットタイプが選べます。ランニングコストの削減にも取り組んでおり、消耗品(カートリッジフィルターやUVランプ)が長寿命設計のため、交換頻度を抑えられますよ。国内メーカーならではの安心感と迅速なサポート体制を求めるなら、EYELAはいかがでしょうか。

超純水の取り扱いポイント

注意ポイント

超純水は非常に高い純度の水で、実験の精度を決める重要な要素です。しかし超純水は不純物を吸収しやすいという特徴もあります。そこで超純水を扱うときに気をつけたい点を紹介するので、初めて超純水装置を購入して使用するならチェックしてくださいね。

採取時に気をつけること

採取時の不純物混入を防ぐため、以下の点に注意しましょう。

  • 清潔な容器を使用する
  • 採取後はすぐに使用する
  • 採取口周辺は触らない
  • 初流は廃棄する
  • 気泡を入れずに静かに採取する
  • 採取後はすぐに蓋を閉める

清潔な容器を準備し、さらに超純水で数回共洗いしたものに採取します。機器のラインには前回使用した超純水が溜まっているので、数分間の初流廃棄が必要です。とくにその日一番で使用する前は、必ず初流廃棄しましょう。

気泡が立つように入れてしまうと、空気中の二酸化炭素などの不純物を取り込んでしまいます。そのため採取容器の側面を静かに流れるように、採取口と容器の位置を調整してください。採取後はすぐに蓋を閉めて、外部からの不純物混入を遮断します。蓋の裏が汚れている場合があるので、容器の蓋も超純水で共洗いするのを忘れないでくださいね。

機器管理で気をつけること

機器のメンテナンスを怠ると、超純水の純度は低下し実験に悪影響が出てしまいます。そのため定期的な機器管理で装置を維持していきましょう。具体的な方法は次の通り。

  • 水質モニタリング
  • メーカー推奨の定期メンテナンス
  • 周辺環境は清潔に
  • 予備の消耗品を準備

超純水装置には水質をモニタリングできる機能があり、電気抵抗率やTOCなどの値がチェックできるようになっています。採取時に数値をチェックする癖をつけておき、異常がないかどうかモニタリングしましょう。フィルターやイオン交換樹脂は消耗品です。メーカー推奨の交換時期を必ず守って交換してください。

装置の周辺にホコリや汚れがあると、装置内部に侵入する可能性があります。そのため定期的に装置の外観や周辺を清掃してくださいね。数値をモニタリングしていると突然数値が悪化することがあります。実験に影響を出さないためにも、消耗品のストックがあれば安心です。

まとめ

超純水装置のおすすめメーカーは次の8社です。

  • メルク㈱
  • オルガノ㈱
  • ELGA LabWater(エルガ ラボウォーター)
  • アドバンテック東洋㈱
  • 栗田工業㈱
  • Thermo Fisher Scientific(サーモフィッシャーサイエンティフィック)
  • ザルトリウス・ジャパン㈱
  • 東京理科器械㈱(EYELA)

超純水装置の選定に迷った際は、これらのメーカーを検討してみてください。分析計測ジャーナルでは、超純水装置選びに関するご相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはコチラ


ライター名:バッハ
プロフィール:大手製薬会社において約8年間新薬の開発研究携わる。新薬の品質を評価するための試験法開発と規格設定を担当。さまざまな分析機器を使用し、試験法検討を行うだけでなく、工場での品質管理部門にも在籍し、製薬の品質管理も担当。幅広い分析機器の使用経験があり、数々の分析トラブルを経験。研究者が研究に専念でき、遭遇するお悩みを解決していけるよう様々な記事を執筆中。

記事をシェアする


記事を書いた人 :

bunseki-keisoku