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レンタルラボ・シェアラボおすすめ施設紹介!両者の違いと選び方や価格も

2024.07.26 (Fri)

  • シェアラボ
  • レンタルラボ

記事を書いた人 :

bunseki-keisoku

レンタルラボを探しているけど近くにない、短期間の使用に最適な実験室はない?こんなお悩みありますよね。そこでこの記事では、レンタルラボとシェアラボについて紹介し、おすすめの施設についても提案します。実験室の立ち上げは、費用面だけでなく手続きや近隣への説明会など、課題が山積みです。レンタルラボやシェアラボなら、これらの問題を解決できるかもしれませんよ。

分析計測ジャーナルでは、レンタルラボやシェアラボのご相談やご質問を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

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レンタルラボとは?シェアラボとの違いやメリットデメリットを解説!

レンタルラボとシェアラボは似ているシステムですが、借り方や費用で違いがあるので解説します。さらにメリット・デメリットと価格を比較しました。

レンタルラボとシェアラボの違い

レンタルラボは、一定の期間、専用の実験室を借りるサービスです。個別の機器は付随しておらず、部屋だけの貸出のことが多いです。ユーティリティーなどは部屋までは届いていますが、機器への接続は借り主がします。利用料は、毎月固定の賃料や共益費などです。自社で実験室の立ち上げるには、近隣住民の理解や各種届出が必要ですが、レンタルラボではこれらの面倒な手続きが必要ありません。

シェアラボは、実験器具や機器が部屋に備わっていて、すぐに実験を開始できる実験室です。所属の違う複数名で、共有して実験室を使用します。「機器付きのレンタルラボ」、「共用型レンタルラボ」とも呼ばれることもあるので、レンタルラボとの区別はあいまいです。利用料金は、実験台1台あたりの時間利用料を支払います。機器のメンテナンスが必要なく、使い方がわからないときは管理人に教えてもらえることもあるので、気軽に利用できますよ。

レンタルラボとシェアラボは、実際に呼び名が明確に区別されているわけではなく、シェアタイプのラボをレンタルラボと呼んでいる場合もあります。そのためここでは大きく分けて、2つのタイプのラボの借り方があることを認識いただければ幸いです。

レンタルラボとシェアラボの比較表

レンタルラボとシェアラボのメリット・デメリットは以下の表のとおりです。

特徴メリットデメリット
レンタルラボ
(一室借り)
・個別のスペースを借りる
・実験器具は各自で準備
・プライバシーが保てる
・カスタマイズ可能
・長期間使える
・機器の導入、メンテナンス代がかかる
・実験環境を整えるのに少し時間を要する
シェアラボ
(共用型)
・複数のユーザーで同じ部屋を使う
・一般的な実験器具は揃っている
・他のユーザーと交流できる
・すぐに実験を開始できる
・機器の導入費用、メンテナンス代がかからない
・ラボマネージャーが常駐している所は、緊急時に適切な対応がある
・自由度が低い
・大人数や長期間の利用では費用がかさむ
・実験内容が他者に漏れる

レンタルラボとシェアラボの価格比較

レンタルラボとシェアラボにかかる費用について、比較してみました。レンタルラボは賃貸の部屋を借りるイメージ、シェアラボはホテルに泊まるイメージです。

部屋の使用に関わる費用機器の使用に関わる費用その他の費用
レンタルラボ
(一室借り)
賃貸料、共益費、特別管理費、敷金なし水道光熱費、機器本体代、機器メンテナンス代
シェアラボ
(共用型)
実験台(ベンチ)使用料、試薬保管料、ロッカー利用料特殊機器使用料なし

レンタルラボは機器の導入や配管工事などが発生するので、初期に大きな金額が必要です。賃貸料は、1ヶ月5万円代〜20万円以上のところまであります。化学実験などで特殊な試薬を使う場合は、さらに特別管理費が数万円かかる場合もあり、毎月の固定費が上がるのに注意しましょう。

シェアラボは、たとえば週2回一度に5時間程度1人で利用する場合は、1ヶ月10万円程度です。利用回数が増えたり、人数が増えたりすると費用はかさみますが、初期費用はレンタルラボに比べて圧倒的に安くなります。

レンタルラボとシェアラボの使い方は?実際のユーザーも紹介

おすすめ

レンタルラボとシェアラボの特徴を踏まえて、おすすめの使い方を紹介します。どちらがあなたのスタイルに合っているか判断がつきますよ。さらに実際に使っているユーザー層も紹介するので、利用の参考にしてみてください。

レンタルラボおすすめの使い方

レンタルラボを借りるなら、次の条件にあうか確認してみましょう。

  • 2~3年の期間、毎日利用する
  • 5人以上で利用する
  • 研究内容を極秘にしたい
  • 実験にかける予算がある
  • 実験機器をすでに持っている

レンタルラボを使っているのは、大手企業や、そこそこお金のある中規模企業が多いです。自社で実験室を建てるにはお金がかかりすぎる、実験室立ち上げの手続きが面倒、という場合はレンタルラボを検討してみましょう。

シェアラボおすすめの使い方

シェアラボは、以下の場合おすすめです。

  • 週に数回、数時間のみの利用
  • 1年以内に利用がなくなる可能性がある
  • 他の研究者と交流したい
  • 初期費用をできるだけ抑えたい

シェアラボはスタートアップ企業やベンチャー企業、中小企業に人気があります。また趣味で研究をするにも、本格的な機器が使えますよ。お試しで実験してみたい、今すぐに実験を開始したいなら、シェアラボが最適です。

レンタルラボのおすすめ施設

レンタルラボは、実験ができる部屋を一定期間借りるシステムです。使用したい機器は入居後、自分で搬入します。レンタルラボのおすすめ施設を、4つピックアップして紹介します。都道府県立の技術センターが運営するレンタルラボは、全国各地にあるので選択しやすく、比較的賃料が安いのが特徴です。

  • 京都リサーチパーク
  • 滋賀県工業技術総合センター
  • つくば研究支援センター
  • 東京都立産業技術研究センター

京都リサーチパーク:京都

京都市内にある京都リサーチパークは、広さは35〜1000m2まで大小さまざまな部屋があります。化学・バイオ・電気など幅広い分野の実験室に対応しており、材料研究や医薬品分析などが行われています。京都駅からのアクセスもよく、京都市外からも通いやすいです。設備の設置や部屋の改装などに困ったら、専門スタッフに相談ができるので、初めての実験室立ち上げでも安心して進められます。

滋賀県工業技術総合センター:滋賀

滋賀県工業技術総合センターは、4部屋だけの小規模なレンタルラボです。現在50m2の1部屋が空いており(2024年7月時点)、使用料は月額92,000円。材料研究などに最適な施設です。滋賀県内の事業者が対象で、研究内容によってはセンターと共同開発が可能になり、開発のスピード化が期待できます。

つくば研究支援センター:つくば

つくば研究支援センターは、機械・バイオ・化学・電子・物理系の実験に使えるレンタルラボです。部屋数は約40室あるので、他の入居者との交流もできます。各部屋には、実験用排気設備と実験用給排水設備などが整備済み。入居に制限がなく、大企業からベンチャーまで幅広い企業が入れます。中小企業は割引制度の適応で、お得に入居できるサービスもありますよ。

東京都立産業技術研究センター:東京

東京都立産業技術研究センターは、東京都江東区に19室のレンタルラボを設置しています。一番小さい30m2の部屋なら、月額67,340円と東京都の家賃と比較して格安です。入居条件は、東京都に事業所登録している中小企業。製品開発や知財について困ったら、ラボマネージャーが無料で相談に乗ってくれます。共用の加工室や実験室で機器も使えるので、初期投資を抑えたいならおすすめの施設です。

シェアラボのおすすめ施設

シェアラボは機器がすでに備わっており、実験をすぐ開始できる施設のことです。料金は時間制や実験台1台あたりで決まります。おすすめ施設は、次の4施設です。

  • TIP-RCCシェアラボ
  • ターキンラボ健都
  • X/S WORKSITE
  • オープンイノベーションセンターウェットラボ

TIP-RCCシェアラボ:東京

TIP-RCCシェアラボは、東京医科歯科大学の一部を利用したシェアラボです。医療系の研究に最適で、大学が所有する実験機器を共用で使えます。またラボコンシェルジュが常駐しているので、機器の使い方に困ったら相談でき、初めての機器でも安心。東京メトロ御茶ノ水駅からずくの都心で、アクセス抜群なので、定期的な利用も通いやすい立地ですよ。

ターキンラボ健都:大阪

ターキンラボ健都は、日本最大級のシェアラボ施設です。遺伝子組み換えや、幹細胞を使った実験が可能なP2/BSL2実験エリアを備えます。細胞培養実験や分子生物学実験に最適な施設で、マイクロプレートリーダーやRT-PCR装置などを配備。ベンチャーから大手企業まで利用者も幅広く、交流ができるサロンもあるので、意見交換も広がります。新大阪駅からアクセスもよく、関西圏内でバイオ実験ができるシェアラボを探しているなら、おすすめの場所です。

X/S WORKSITE:つくば

X/S WORKSITEは、実験室とは思えない、おしゃれな雰囲気のシェアラボです。"SienceとときどきBBQ"をコンセプトに作られており、交流スペースでBBQができるのが特徴。実験以外に、マーケティング支援やWEB制作のサポートも展開しているので、これから成長していきたいベンチャーに最適な施設です。レンタルラボもあるので、シェアラボで使い勝手がよく利用頻度が多くなれば、同じ施設内でレンタルラボに引越しするのも可能ですよ。

オープンイノベーションセンターウェットラボ:大阪

オープンイノベーションセンターウェットラボ(OIL)は大阪府吹田市の国立循環器病研究センター内にある、シェアラボです。一般実験室は実験台が8台で小規模ですが、P2/BSL2実験室もあります。リアルタイムPCRやサーマルサイクラーなどが機器室に配備されており、分子生物学実験に最適です。シェアラボですが、利用にあたって事前面談や審査があるので、レンタルラボスタイルに近いかもしれません。

全国のレンタルラボ・シェアラボが検索できるシステム

レンタルラボやシェアラボは、全国各地にあるのですが大々的に宣伝はされておらず、探しにくいのが難点。そこで全国どこでもお近くのラボを探せるシステムやサービスがあるので、2つ紹介します。また分析計測ジャーナルでも、全国のレンタルラボ・シェアラボ探しのお手伝いを承りますので、お問い合わせください。

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レンタルラボプラス

レンタルラボプラスは、全国のレンタルラボやシェアラボが100施設以上、掲載されています。地域を限定した検索や、大きさや実験内容を決めて検索もできるので、最適な施設が見つかりますよ。地図から探す機能なら、自宅や事務所の近くの施設をすぐに探せるので、便利。料金も明記されているので、安心して利用に踏み切れます。運営はレンタルラボも手掛ける、京都リサーチパークです。

Co-LABO MAKER

Co-LABO MAKERは、実験をしたい利用者と施設をマッチングするシステムです。Co-LABO独自のネットワークで、一般に公表されていない施設も紹介可能なので、より最適な場所や設備が整った実験室が選べます。特定の機器や一般的なシェアラボにはない機器を使いたいときも、Co-LABOにお願いすればおすすめの施設を提案してくれますよ。

まとめ

レンタルラボは、一定期間実験ができる部屋を借りるシステムです。自由が利きプライバシーも守られます。一方シェアラボは、共同で機器つきの実験室を利用するシステム。短期間での実験や、スタートアップで予算が限られているときに便利な施設です。

全国各地に、レンタルラボやシェアラボはあります。また分析計測ジャーナルでは、レンタルラボやシェアラボのご相談や紹介を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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分析計測ジャーナルライターバッハ

ライター名:バッハ
プロフィール:大手製薬会社において約8年間新薬の開発研究携わる。新薬の品質を評価するための試験法開発と規格設定を担当。さまざまな分析機器を使用し、試験法検討を行うだけでなく、工場での品質管理部門にも在籍し、製薬の品質管理も担当。幅広い分析機器の使用経験があり、数々の分析トラブルを経験。研究者が研究に専念でき、遭遇するお悩みを解決していけるよう様々な記事を執筆中。

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