コロナウイルスの流行により、浸透したテレワーク。
しかし、
「多くの企業がテレワークを導入しているけど、
分析業務のテレワークは難しい」
研究者の方々はそのようにお考えかもしれません。
ですが世の中のテレワーク化は想像以上に進んでいます。
こちらの記事でテレワークの様々な実例を見ることで
「もしかすると分析業務もテレワークが可能なのかもしれない」
と考えるヒントにしていただければと思います。
■そもそもテレワークとは?
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、
場所や時間にとらわれない柔軟な働き方
のことです。(※「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語)
テレワークは働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つに分けられます。
https://japan-telework.or.jp/tw_about-2/
(参照:一般社団法人日本テレワーク協会「テレワークとは」)
コロナウイルスで、一般企業のテレワーク化が急速に広まったことは、みなさんご存じの通りかと思います。
しかし研究者の方々は
「研究者の仕事は一般企業の仕事と異なる」
「分析作業のために毎日現場に行かなければならない」
「分析装置は持ち帰ることができないから在宅勤務はできない」
とテレワークのハードルが高く感じられてしまうかもしれません。
ですが
・交代勤務による人手不足で労働時間が増えた
・分析業務が滞って困っている
など、今まで通りの業務が行えないことで、様々な問題を抱えているのではないでしょうか。
■分析業務の外注化
分析業務そのものを外注するのもひとつの解決方法かもしれません。下記に記載の企業はほんの一部ですが、受託分析を請け負っている企業は多数あります。
株式会社堀場製作所
https://www.horiba.com/jp/scientific/application-center-jp/contract-analysis/
株式会社東レリサーチセンター
https://www.toray-research.co.jp/businesses/analysis-evaluation/
株式会社島津テクノリサーチ
https://www.shimadzu-techno.co.jp/annai/index.html
etc…
主に依頼から完了までの流れは
「お問い合わせ」→「見積」→「依頼」→「分析」→「報告」
と、このようになります。
外注するメリットは、「研究者の負担の大幅な減少と結果の精度の高さ」です。デメリットは、「分析依頼から完了までの時間と費用」といったところでしょうか。
■建設業のテレワークの実例
また、分析業務と同じように、「現場主義の風潮が強い」他業種のテレワーク事情を知ることも何かヒントになるかもしれません。
例えば「現場に出向かないと仕事がはじまらない」と思われがちな建設業。今やテレワークを取り入れている企業も増えてきていることをご存じでしょうか?
例えば株式会社リコーでは建設業界向けにこのようなサービスを提供しています。
【株式会社リコー/建設業向け テレワーク導入サービス】
https://www.ricoh.co.jp/special/construction/telework
(参照:株式会社リコー「建設業のテレワーク」)
<サービス内容>
・テレワークに必要なパソコンの提供やインターネット環境の整備
・図面などのFAXを現場や外出先で確認
・データを一元管理して場所を問わずデータにアクセスが可能
こういったサービスによって「現場に出向かなくても指示を出せる」「どの場所からもデータにアクセスできる」ようになり、建設業に従事する企業も、テレワークに移行することが可能になります。
【ARAV株式会社/インターネット経由の遠隔操作システムの事業化を開始】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000058931.html
(参照:PR TIMES「建設現場のテレワークに貢献、1000km離れても油圧ショベルをインターネット経由で遠隔操作可能」)
また、東京大学発スタートアップのARAV株式会社では、油圧ショベルをインターネット経由でリアルタイムに遠隔操作する実証実験に成功し、本システムの事業化を開始しました。
上記の2例のように、打ち合わせや事務作業だけではなく、人手が必要だった作業も今やリモートワークが可能な時代になりつつあります。
「現場に行かなければ」といった考えは思い込みなのかもしれません。
■分析機器メーカーのテレワークの実例
では実際、分析業務のテレワーク事情はどうなっているのでしょうか。
実は分析機器メーカーも、分析業務のテレワークを目指す様々な取り組みを行っております。
こちらでは株式会社島津製作所の取り組み「在宅での分析業務支援ソリューション」をご紹介いたします。
https://www.an.shimadzu.co.jp/general/solution.htm
(参照:株式会社島津製作所「在宅での分析業務支援ソリューション」)
【データ解析やレポート作成を自宅で「LabSolutions CSネットワークシステム」】
ご自宅のPCからVPN接続でラボのLabSolutions CSサーバーにアクセスし、サーバーにあるデータの解析やレポート作成が行えます。(LabSolutions CSネットワークシステムが必要です)
【分析機器をスタンドアロンでご使用の場合「LabSolutions再解析ライセンス」】
ご自宅でLabSolutions再解析ライセンスをインストールしたPCからVPN接続でラボのサーバーにアクセスし、サーバーにあるデータの解析やレポート作成が行えます。(LabSolutions再解析ライセンスが必要です)
【自宅から装置の稼働状況をモニタリング「Nexeraシリーズの場合」】
ネットワーク上のHPLCシステムの稼働状況をウェブブラウザから一括して確認することが可能です。 連続分析の進行具合や取得中のクロマトグラムを遠隔監視できます。(Nexeraシリーズ UHPLC/HPLC が必要です)
【自宅から装置の稼働状況をモニタリング「GCでLabSolutionsソフトウェアをご使用の場合】
LabSolutions Direct機能を用いると、スマートデバイスやパソコンのウェブブラウザから装置の遠隔操作/遠隔モニタリングが可能です。 LabSolutions Directは、LabSolutions LC/GCに標準で搭載されている機能です。専用アプリの追加インストールなどは不要です。
■まとめ
ご存じの通り、世の中のテレワーク化は急速に進んでいます。
分析業務のテレワークは難しいと思われがちですが、様々な新しいアプローチ方法を知ることにより、問題を解決することができるかもしれません。
分析業務のテレワークについてもっと知りたい!そんな方はお気軽にご相談下さい。
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