「FTIRを購入したいけど、どうしたら最適なものを選べるだろうか…」
FTIRの購入をお考えの方、そんな風にお困りではないでしょうか?
最適なFTIRを自分で調べるのは難しいですよね。
「よくわからないまま高価なFTIRを購入して、思った通りの分析結果が得られなかったらどうしよう…」
そんな不安いっぱいの状態では、何を調べていいのかすらわからないのではないでしょうか。
そこでこちらの記事では、
「まず自分が何をしたいのか」=「どんな分析を行いたいのか」
を整理していきます。
自分の希望をはっきりさせることができれば、FTIRの販売店の営業マンとの商談もスムーズになります。そうすればおのずと、最適なFTIRの選択へとつながっていくことでしょう。
ではここから一緒に、頭の中を整理していきましょう。
■そもそもFTIRとは(FTIRの原理)
そもそもFTIRとは何を指すのでしょうか。まずはそちらから見ていきましょう。
FTIR はフーリエ変換型赤外(Fourier transform infrared)の略で、赤外分光法でよく利用されている方法です。赤外線放射がサンプルを透過するとき、放射の一部はサンプルに吸収され、一部は通り抜けます(透過)。その結果、検出器の信号はサンプル分子の「指紋」を表すスペクトルになります。異なる化学構造(分子)からは異なるスペクトルの「指紋」が発生するという点に赤外線分光法の有用性があります。
つまり、FTIR とは
- フーリエ変換は、検出器の出力を解釈可能なスペクトルに変換します。
- FTIR はパターンのあるスペクトルを生成し、これによってサンプルの構造を考察することができます
(参照:サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社
FTIRの原理は、こういったものになります。
■まず初めに「分析手法」を調べよう
FTIRとは何か?をまずはお伝えしましたが
「それを知ったところで、最適なFTIRを選べるわけじゃない!」
そうお思いでしょう。
確かにFTIRの原理も大事ですが、その前におさえておきたいポイント、それは、
『分析手法を知る』
ことです。
分析手法とは、例えば下記のようなフローチャートがあります。
(参照:株式会社島津製作所カタログ「FTIRシリーズ付属品ハンドブック」より)
FTIRを購入したいということは、「分析したい試料がある」ということだと思います。
その分析したい試料について、「〇〇法という分析手法で行います!」とすぐに答えることができますか?
わからない方は一度フローチャートで、分析手法を調べてみて下さい。
「試料は”固体”で、種類は”粉体”で…」といったようにチャートをたどっていけば、おのずとご自身のサンプル形状・種類に適した分析手法が見つかるはずです。
この分析手法がわかったら、必要な付属品がわかります。そうすると、その付属品を搭載できるFTIRはどれなのか?としぼりこんでいくことができるのです。
■分析手法を把握していないと起こる失敗例
ではなぜ分析手法を把握しておかないといけないのでしょうか。
分析手法をきちんと把握できていないと、
・分析手法によって必要とされる付属品がわからない
・最適な装置の選定までに時間がかかってしまう
・営業マンとの商談がスムーズに進まない
といった失敗がおこってしまいます。
FTIRの販売店の営業マンに、いきなり「FTIRの購入を考えているんだけど…」と話をしてしまうと、色々なFTIRを次々と紹介されることになります。
そうすると「一体何を買えばいいのか…」となることは想像できますよね。
そうなる前に「自分は〇〇といった試料を使って〇〇法で分析したい」と要望を伝えましょう。要望をわかりやすく伝えることが、最適なFTIRを選ぶための第一歩です。
■便利な「ライブラリ」「データベース」といったものも
また、「スペクトルライブラリ」「スペクトルデータベース」という便利な商品もあります。
FTIRは、どんな試料からでも簡単に迅速にIRスペクトル(結果)を取得することができ、定性(同定)に大変便利な装置ですが、取得したIRスペクトルを正しく解釈するには、知識と経験が必要になります。
その知識と経験を補うのが「スペクトルライブラリ」などのデータベースになります。ライブラリ(データベース)は標準的な物質のIRスペクトルを多数収録したもので、試料から取得したIRスペクトルをソフトウェア上でライブラリ検索・照合することで、化学物質を考察することができます。
FTIRが定性(同定)に優れた装置であることは確かですが、ご自身の課題、扱う試料によっては、その他の分析装置を用いた方が効率的である場合もあります。
■まとめ
FTIRの購入を検討するとき、「どこのメーカーがいいか?」「どの型番のものにすればいいか?」そういったことばかりを考えてしまいがちですよね。
ですが、すぐに「どのFTIRを選ぼうか?」と何も考えずに突き進むのではなく、まずはいったん頭の中を整理してみるのはいかがでしょうか。
「自分に最適なFTIRを選びたい!」そうお考えの方、また、「FTIRについてこんな記事が読んでみたい!」そんな方、お気軽にご相談・ご連絡ください。
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