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(解決事例!)グローブボックス内で使用する天秤のサイズ問題、分解すると・・?

2024.04.12 (Fri)

  • グローブボックス

記事を書いた人 :

bunseki-keisoku

研究者にとっておなじみの装置「グローブボックス」。

グローブボックスとは、密閉された箱型の装置のこと。実験する対象物を外気にさらすことなく、特定の雰囲気下で作業するためのボックスです。手袋(グローブ)が付属しており、こちらに手を入れて作業を行います。

アズワン株式会社 グローブボックスAS-600S

(写真:アズワン株式会社のHPより引用)

グローブボックスの横には、「パスボックス」という、内部の雰囲気を変化させることなく物品を出し入れするための箱が付属しています。

赤丸が「パスボックス」

(写真:アズワン株式会社のHPより引用)

このグローブボックスですが、中に天秤を入れて使用する方も多いかと思います。グローブボックスは扉を開けることができるので、そちらから天秤を入れることは可能ですが、開けてしまうと外気にさらされてしまうため、その方法は取りたくない…と皆さんこのパスボックスから天秤を入れられるのではないでしょうか。

そのためグローブボックス内で天秤を使用される方は

「パスボックスの入り口のサイズは決まっているから、中に入れる天秤はサイズで選ばなければいけない」

と思い込んでいませんか?

結果、サイズのみで選んだ天秤の使い勝手が多少悪くても「これしか入らないんだからしょうがない」と諦めているのではないでしょうか。

この記事では、そんな「しょうがない」を発想の転換で突破し、グローブボックスを快適に使えるようになった研究室の事例をお伝えしたいと思います。

■サイズの問題

とある大学の研究室の事例ですが、グローブボックスにA社の天秤を入れて使用していました。

お客様がこのA社の天秤を選んだ理由ですが「グローブボックスのパスボックスの入り口のサイズ的にA社のものしか入らなかったから」という消極的なものでした。つまり中に入れる天秤は「使い勝手のいいもの」というより「サイズ的に入るもの」で選ぶしかなかったのです。

■島津製作所の天秤APシリーズ

そこでこの研究室に新たに提案されたのが下記の天秤でした。

この島津製作所の天秤のAPシリーズは風防部分と天秤部分を外すことができます。

そのままの状態だとサイズがネックになり、パスボックスの入り口から入らないのですが、風防部分と天秤部分を分解すれば、入れることができます。そして天秤をグローブボックス内で組み立てて使用することができたのです。

≪注意≫
※風防を取り外しての使用は保証外となります。 
※オプションのイオナイザ(島津製作所のSTABLO-AP)は、窒素環境下であれば問題なく動作しますが、アルゴン環境下での使用は不可です。

■静電気による粉末飛散のトラブル

またこちらの研究室では、窒素の雰囲気下で、粉末を使用して天秤で実験されていたのですが、静電気の発生により粉末が飛び散りうまく測れないといったことが頻繁におこっていました。横に除電機は置かれていたものの、効果はあまり見込めず…。

ですがこの天秤にオプションでイオナイザ(除電機能)をつけたため、「静電気の発生により粉末が飛び散りうまく測れない」といった悩みの解消にもつながりました。

■まとめ

元々この研究室では

●サイズを理由に仕方なく選んだ天秤を使用していた
●静電気がおきて粉末が飛び散って困っていた

といった悩みがありましたが、「分解できる・除電できる天秤」を導入したことで、そういったお悩みを解消することが出来たのです。

こういった事例を知っておくことにより、グローブボックス内に入れる天秤の選択肢も変わってくるかと思います。

「グローブボックスを使って実験をしているけど、なんだか使い勝手が悪い…でもどこに相談すればいいかわからない」

そんな方は一度ご相談下さい!

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bunseki-keisoku