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【2024年度版】デジタルマイクロスコープのおすすめメーカー10選

2024.10.18 (Fri)

  • デジタルマイクロスコープ

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bunseki-keisoku

デジタルマイクロスコープは光学顕微鏡に変わる画期的な装置です。製品の検査を光学顕微鏡の接眼レンズを覗いて行っているなら、デジタルマイクロスコープの導入を検討してみてください。デジタルマイクロスコープは作業を効率化し、データの保存ができるので信頼性も向上します。

デジタルマイクロスコープは多くの会社から販売されており、どのメーカーがいいのか悩ましいですよね。そこでこの記事では、デジタルマイクロスコープのおすすめメーカー10社を紹介し、各社の製品の特徴も解説します。さらに選び方についても紹介するので、購入の際には参考にしてみてください。

分析計測ジャーナルでは、デジタルマイクロスコープの相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

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デジタルマイクロスコープとは?

デジタルマイクロスコープとは、光学顕微鏡とデジタル技術が合わさったもので、観察しているものをディスプレイ表示するものです。倍率を変更すると、微細な物体の拡大表示もできます。また解析もソフトを使って、高度に解析できます。デジタルマイクロスコープのメリットは次の4つです。

  • 複数人で同時に観察できる
  • 目が疲れず長時間作業の負担が軽減する
  • 立体的なものも観察しやすい
  • 過去のデータと比較ができる

デジタルマイクロスコープの基本機能と用途について詳しく紹介します。

デジタルマイクロスコープの基本機能

デジタルマイクロスコープは一般的に以下のような機能を備えています。

機能特徴
高倍率ズーム光学デジタルとズームを組み合わせて、微小な対象物を数百倍から数千倍まで拡大できます。
デジタル画像・動画の記録画像と動画をPC内や外部メモリに保存でき、詳細な解析や共有ができます。タイムラプスや連続撮影機能を備えた機種もあります。
モニター表示映像はモニターに一時的に表示され、複数人で同時に観察する際に便利です。従来の顕微鏡に比べて、直感的に操作しやすいです。
自動フォーカスピント調整の難しい高倍率でも、自動でピントがあいます。ズーム観察が簡単です。

デジタルマイクロスコープの用途

デジタルマイクロスコープは、幅広い分野で利用されています。以下は、主な用途の例です。

教育現場での利用
生物学や地学授業で活用されています。学生が拡大画像を同時に確認できるので、理解が深まりやすいです。ディスカッションや発表の場でも役立ちます。

研究開発や実験をサポート
化学や物理学などの研究分野では、試料の観察に最適です。デジタルスコープを使うと、分析が容易になり研究が加速します。

工業分野での品質管理
製品の検査や品質管理の現場では、製品の表面状態や微細な欠陥を確認する作業が必要です。デジタルマイクロスコープは、不良品の早期発見や原因解析に役立ちます。微小な部品の組み立てにも活用されており、作業者の疲労を軽減します。

医療分野での応用
医療機関では、病理学や検査の際に、細胞や組織の観察に用いられます。検査結果の共有が必要なときに、診療科が異なっても大変便利です。

デジタルマイクロスコープのおすすめメーカー10選

デジタルマイクロスコープを製造販売しているメーカーはたくさんあります。また1メーカーから複数のシリーズが販売されていることもあり、どのタイプが最適なのか見極めるのが難しいことも。そこで、おすすめメーカー10社の特徴を紹介し、人気機種の特徴と価格を紹介します。デジタルマイクロスコープ選びの参考にしてみてください。

㈱キーエンス

㈱キーエンスは、デジタルマイクロスコープ業界をリードする企業の一つです。優れた光学性能と高解像度で、微小なものの観察ができます。使いやすいインターフェースや自動化機能で、初心者でも使いやすいです。

製品名
(製品名をクリックするとカタログにリンクします)
倍率解像度特徴参考価格
VHX-X1シリーズ5〜6000倍標準:2048 (H) × 1536 (V)
高解像度4000 (H) × 3000 (V)
ディープコントラスト機能で細かい凹凸が見やすい。必要な機能をカスタマイズできる。お問い合わせください
VHX-XF シリーズ0〜6000倍エントリーモデルでシンプルな操作で観察可能。
お問い合わせください

㈱ハイロックス

㈱ハイロックスは、世界初のビデオマイクロスコープを開発した企業です。デジタルマイクロスコープは工業分野やライフサイエンス分野で人気があります。立体的に観察できる機能があり、複雑なものでも観察しやすいです。

製品名
(製品名をクリックするとカタログにリンクします)
倍率解像度特徴参考価格
HRX-010〜7000倍2448(H)×2048(V)
2040(H)×1530(V)
用途に応じてカスタマイズ可能。リモートでの観察も。500万円〜
RX-1000〜7000倍1958(H)×1638(V)
1632(H)×1224(V)
スタンダードモデル機種。立体的に見えるロータリヘッド機能。266万円〜

㈱エビデント(オリンパス㈱)

㈱エビデントはオリンパス㈱から分社化された企業で、オリンパスのデジタルマイクロスコープを取り扱っています。エビデントのデジタルマイクロスコープは1シリーズです。産業分野や研究機関から人気があります。

製品名
(製品名をクリックするとカタログにリンクします)
倍率解像度特徴参考価格
DSX1000シリーズ27~9637倍低解像度:960(H)×600(V)
超高解像度:5760(H)×3600(V)
観察方法や倍率の変更がワンタッチで簡単。幅広い用途で使える。エントリーモデル:570万円〜
チルドモデル:760万円〜
高解像度モデル:865万円〜
ハイエンドモデル:925万円〜

ライカマイクロシステムズ

ライカマイクロシステムズ(Leica Microsystems)は、世界をリードする精密光学および顕微鏡技術のメーカーです。1869年に設立されてから150年以上にわたり、革新と高品質を追求しています。デジタルマイクロスコープは研究者から人気が高いです。

製品名
(製品名をクリックするとカタログにリンクします)
倍率解像度特徴参考価格
Ivesta3(カメラ内蔵)6.1x〜55x最大解像度:500 lp / mmモニターでも接眼レンズでも観察ができるタイプ。作動距離が122mmと広いので、レンズを覗きながらの作業がしやすい。85万円〜

㈱ニコン

㈱ニコンは光学技術と精密機器の分野で、世界をリードする日本企業です。医療用と医薬品開発向けのデジタルマイクロスコープを販売しており、高精度な2製品は研究者や病理担当者から人気があります。ニコンのデジタルマイクロスコープは、作業効率のアップにも力を入れており、長時間の操作でも疲れません。

製品名
(製品名をクリックするとカタログにリンクします)
倍率解像度特徴参考価格
ECLIPSE Ji不明2800×2800ピクセルバイオアッセイに適したモデル。装置の中にプレートを入れ、暗室での観察と同様の条件を再現。AIが解析をサポート。1461万円〜
ECLIPSE Ui不明1330×460日本初の医療機器に認定されている医療用デジタルマイクロスコープ。病院での病理検査に最適。お問い合わせください

㈱島津理化

㈱島津理化は分析機器や試験機器、バイオ・ライフサイエンスに関連する機器を揃えています。デジタルマイクロスコープは、教育向けから研究開発向けまで種類が豊富です。日本企業ならではの丁寧なサポートも人気があります。

製品名
(製品名をクリックするとカタログにリンクします)
倍率有効画素数特徴参考価格
BA81-6T/15T-4000BMH40〜1500x830万画素4K対応デジタルカメラで高精度な画像表示。PCなしで画像の観察と撮影が可能。生物顕微鏡。52万9980円〜
BA410E-4000BMH40〜1000x
830万画素
ウルトラコントラストレンズで、鮮明な画像。自動調光システムで利便性アップ。
高性能三眼生物顕微鏡。
112万680円〜
AE2000-4000BMH40〜200x830万画素シンプルで使いさすさにこだわって設計。LED照明で省電力、さらに自動ON/OFF機能も搭載。倒立顕微鏡。97万3280円〜
STZ-161-TLED-4000BMH7.5〜45x830万画素ズーム式で倍率調整ができる。低倍率でコスパのいいタイプ。実体顕微鏡。56万9580円〜
STZ-171-TLED-4000BMH7.5〜50x830万画素広いステージと作動距離で、顕微鏡を覗きながらの作業がしやすい。実体顕微鏡。63万80円〜
BA310MET-T-4000BMH50〜500x
(オプション1000x)
830万画素光源にLEDを使用した、落射・透過照明。オプションで偏光観察も可能。
金属顕微鏡。
142万3180円〜
Panthera C2-4000BMH40〜1000x
(オプション20〜1500x)
830万画素スライド2枚をステージに乗せられるので、比較観察しやすい。自動調光機能あり。生物顕微鏡。81万4880円〜
Panthera E2-4000BMH40〜1000x
(オプション20〜1500x)
830万画素コスパの高いUC PLANレンズ搭載。生物顕微鏡。68万5050円〜

㈱アクティブウェーブ

㈱アクティブウェーブは、デジタルマイクロスコープの製造販売に特化した日本企業です。業界トップクラスのコスパがあるデジタルマイクロスコープは、これまでに3000社への納入実績があります。

製品名
(製品名をクリックするとカタログにリンクします)
倍率有効画素数特徴参考価格
MSX-10000〜7000倍標準:320万画素
オプション:500万画素(2448×2048ピクセル)
業界随一のコスパを求めて設計。性能に応じたエントリー、ベーシック、スタンダード、ハイエンドの4タイプを展開。150万円〜450万円

㈱マイクロアドバンス

㈱マイクロアドバンスはデジタルマイクロスコープなどの顕微鏡専門メーカーです。デジタルマイクロスコープは使いやすいインターフェースで、操作負担を軽減します。産業分野での納入実績が多いです。

製品名
(製品名をクリックするとカタログにリンクします)
倍率有効画素数特徴参考価格
AS Series40〜320倍130万〜1000万画素大きな対象物でもレンズを近づけて観察ができる。ピントが合わせにくい立体も深い被写界深度で見やすく表示。お問い合わせください
AS-MD Series15〜105倍48〜200万画素高速・高解像度の観察に開発されたモデル。性能の異なる4タイプを展開。お問い合わせください
Ax Series40〜1000万画素既存の顕微鏡の接眼レンズに装着し、デジタルマイクロスコープとして使用。解析機能も搭載。お問い合わせください

ヴィジョン・エンジニアリング

ヴィジョン・エンジニアリングはイギリスが本社の企業です。精密光学と計測技術の専門企業で、3Dステレオ顕微鏡や非接触測定システムの分野において、世界的に高い評価を受けています。デジタルマイクロスコープは、先進技術を活かした製品を揃えています。

製品名
(製品名をクリックするとカタログにリンクします)
倍率解像度特徴参考価格
EVO CAM Series0.8〜750x1920 x 1080使いやすさにこだわって設計。広い視野と長い作動距離。直感的に操作ができる。お問い合わせください
VE CAM6.23x、9.97x不明初心者が使いやすい仕様。外観検査や品質管理に最適。お問い合わせください
DRV STEREO CAM8.4〜700x不明3Dデジタルステレオマイクロスコープ。離れた場所にリアルタイムで画像共有。研究向き。お問い合わせください

マイクロ・スクェア㈱

マイクロ・スクェア㈱はデジタルマイクロスコープをメインに手掛ける日本企業です。産業界での納入実績が多く、アフターケアにも定評があります。

製品名
(製品名をクリックするとカタログにリンクします)
倍率有効画素数特徴参考価格
DS-40Aシリーズ10〜495x200万画素10種類の計測機能付き。日本語・英語・中国語に切り替え可能。基本的な機能を備えたベーシックなタイプ。29万円〜
DS-3Aシリーズ1〜400x200万画素コンパクト設計され、重量は約600g。装置に組み込んで使える。19万8000円〜

デジタルマイクロスコープ選びのポイント

3つ

デジタルマイクロスコープを選ぶ際は、次の3つのポイントをチェックしましょう。これらのポイントを明確にしておくと、初めてのデジタルマイクロスコープ選びでも失敗しません。

  • 適切な倍率
  • 解像度をチェック
  • 用途を明確に

適切な倍率

観察したい対象によって、必要な倍率は異なります。デジタルマイクロスコープの倍率ごとに観察できるものは、次のようなものがあります。

倍率観察できるものの例
2〜5倍程度植物や昆虫の構造
10〜20倍程度ミジンコなどの微生物
50倍程度昆虫の複眼などの細かい構造
100倍程度ゾウリムシなどの構造
200倍程度花粉などの構造
400倍程度ミドリムシなどの構造
800〜1500倍程度細胞や染色体などの構造(0.2μm程度)
2000〜100万倍程度1μm~0.1nm 例…DNA(2nm)
出典:キーエンス 顕微鏡入門ガイド 主な種類と性能

目的に合った倍率を選ばなければ、適切な評価はできません。また高倍率になればなるほど、デジタルマイクロスコープの価格は上がります。まずは用途に応じた倍率を検討しましょう。

解像度をチェック

高解像度のカメラを搭載しているほど、鮮明な画像が見られます。ただし表示させるモニターもカメラの解像度に応じた解像度でなければなりません。デジタルマイクロスコープの解像度よりもモニターの解像度が低ければ、モニターの解像度でしか観察できないのです。既存のPCなどのモニターを使用するなら、解像度が合っているかどうかも確認しましょう。

用途に合った仕様かどうか

どのような用途でデジタルマイクロスコープを使うのかを明確にするのも重要です。デジタルマイクロスコープには製品の検査用、研究用、教育用など種類があります。使用する環境が粉塵などの多い作業現場や野外なら、耐久性も必要です。デジタルマイクロスコープを見ながら作業を進める場合は、対物レンズとステージまでの距離(作動距離)が長いものを選びましょう。活用範囲が今後広まると予想されるときは、オプションで拡張機能があるタイプがおすすめです。

まとめ

デジタルマイクロスコープは、光学顕微鏡の観察結果をモニター表示するものです。デジタルマイクロスコープは教育・研究・品質管理など広い分野で使われています。国内外にデジタルマイクロスコープの製造販売メーカーはありますが、おすすめメーカーは次の10社です。

  • ㈱キーエンス
  • ㈱ハイロックス
  • ㈱エビデント(オリンパス㈱)
  • ライカマイクロシステムズ
  • ㈱ニコン
  • ㈱島津理化
  • ㈱アクティブウェーブ
  • ㈱マイクロアドバンス
  • ヴィジョン・エンジニアリング
  • マイクロ・スクェア㈱

デジタルマイクロスコープ選びに悩んだら、この10社から探してみてください。また分析計測ジャーナルでは、デジタルマイクロスコープ選びに関するご相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

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ライター名:バッハ
プロフィール:大手製薬会社において約8年間新薬の開発研究携わる。新薬の品質を評価するための試験法開発と規格設定を担当。さまざまな分析機器を使用し、試験法検討を行うだけでなく、工場での品質管理部門にも在籍し、製薬の品質管理も担当。幅広い分析機器の使用経験があり、数々の分析トラブルを経験。研究者が研究に専念でき、遭遇するお悩みを解決していけるよう様々な記事を執筆中。

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